1999年度AISFニュース

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  • ラクーン会 イン ニューヨーク 
2000年3月26日(日)ニューヨーク訪問中の渥美伊都子理事長と今西淳子常務理 事を囲んで、ラクーン会が開催されました。ニューヨーク大学助教授のメラニー・ト レーデさん(96 Raccoon)が幹事を引きうけてくださり、マンハッタンの55丁目にあ る中華料理レストランに、ラクーン会メンバー5名と家族が集まりました。コロンビア 大学のミッシェル・バンブリングさん(95 Raccoon)、エール大学の張紹敏さん(97 Raccoon)、ハーバード大学の孫艶泙さん(98 Raccoon)、エール大学に来たばかりの侯延 昆さん(99 Raccoon)が、忙しい研究の合間をぬって駆けつけてくださいました。5つの違う国の人 達が集まって、懐かしい軽井沢や渥美財団の話を日本語で語り合い、ビッグ・アップル の賑やかな一夜はあっという間に過ぎてしまいました。 (文責 今西)

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  • 1999年度研究報告会 
2000年3月4日(土)渥美財団1999年度研究報告会が開かれ、本年度の奨学金受給者11名が自分の研究成果を発表しました。今期・来期の渥美奨学生やラクーン会(同窓会)のメンバー、財団役員に加え、日本で留学生支援をしていらっしゃる方々にもご参加いただき、本年度最後の行事も盛会のうちに終わらせることができました。発表者は、自分の博士研究を「子供にもわかるように」「15分以内で」説明するのに大変苦労したようでしたが、パワーポイント・スライド・OHPなどの機器を駆使して、それぞれ素晴らしい発表をしてくださいました。最後に、渥美財団理事で癌研究会の片岡様より「15分間では言いたい事の10分の1しか言えなかったと思うが、研究者としては、一般社会に研究の結果が役立つかどうか、自分の仕事が世界とどのように繋がるかを考えることが大事なのだ。また、これからの世界は、専門家が尊重された20世紀と違い、外の人とコミュニケーションをとりながら研究をすることが大事であり、その意味でも渥美財団ネットワークを大切にしていってもらいたい」と、また、当財団監事の石井様から「目的意識がしっかりしていること、新しい分野の研究を進めていること、集中力のすごさ、根性を感じた。今後もラクーン会を通じて、皆さんの消息を聞くのを楽しみにしている」とコメントをいただきました。また、鹿島学術振興財団の中島様からは「私の髪が黒かったころ、この建物を設計したが、鹿島守之助氏が各国大統領や要人を招いたこの場所で、このような会をしたことを、皆さんの心にとめて欲しい」とお話しいただき、次のような俳句をご披露いただきました。

ひなかざり アジアの学徒の 夢ひらく

報告会の後、ラクーン会より渥美財団インターネット・サーバー(aisf.or.jp)の説明と、7月に設立予定の「関口グローバル研究会(SeGRA)」の紹介がありました。

(文責 今西)

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  • 国文学「解釈と鑑賞」第65巻1号 2000年1月 
    新刊紹介 今西淳子編『日本で見つけた宝物 留学生の報告』
    鈴木 泰 
本書は、日本の大学院で博士号を取得しようとして学び、渥美国際交流奨学財団から奨学金をうけた、アジアを中心とした7ヶ国15名の留学生たちの留学報告をまとめたものである。本書の執筆者の中には、最近大地震で被災した台湾からの留学生も二人いる。一人は、紹介担当者の指導学生の方美麗さんである。彼女は、台北の勤務先の寮に住んでいたが、震災で電気などライフラインが使えなくなり、一時故郷の台南に避難したと聞いている。私事にわたる話が続いて申し訳ないが、私には、台湾からの留学生で博士号を取った指導学生がもう一人いる。彼女は台中にいたため、安否が大変に心配されたが、電話は混みあっていてつながらず、やきもきしていた。そこになんということか、本人から直接電話が入って、無事であるむね知らせてきたのである。私がきっと心配しているだろうと考えて、わざわざ自分の安否を知らせてくれたのである。その時、指導していた時には知りえなかった教師に対して学生の心遣いを感じてありがたく思ったのだが、教師に対する同じ様な心遣いが、方美麗さんの「雑草の力」と、もう一人の台湾からの留学生、洪徳俊さんの「博士への道」の2編には随所に感じられた。また、二人の日本での留学生生活は10年にもおよび、その間も決して平坦な道ではなかったことは、二人のレポートに詳しく述べられており、身につまされる。しかし、それを黙々と努力することによって、あるいはたくましく乗り越えていったさまが生き生きと描かれているのには感動させられる。
本書は大変バラエティーに富んでいて、勉学報告が中心であるが、博士論文の紹介もあれば、日本論や日本にたいする提言もあるといった具合である。また、紹介されている博士論文の内容は実に多岐にわたっているが、その中で国文学にかかわりありそうなもののテーマをかかげれば、温泉の歴史、日本語における「断り」、画家文清、源氏物語などがあり、いずれも日本人には取りえない切り口のシャープさ、また実証の手堅さを感じさせる。ただし、博士論文の内容の紹介にとどまらず、留学生としての肉声をもっと聞きたかったというレポートもいくつかある。
アジア諸国は地震といったような天災がなくとも、経済的、政治的に厳しい局面を迎えているところが多い。当然いろいろな面で日本は期待されている。そうした中で本書の価値は大きい。留学の動機についても、実に様々なものがあることを知らされるし、また留学前の動機や日本観が迎える側次第でいかに変わるものであるかも思い知らされる。また、留学生たちが日本での留学体験をどのようにとらえたかは、今後留学生を指導していく上で、反省の材料を与えてくれるとともに、多くの示唆を与えてくれるだろう。

(1999年7月15日 46判380頁 定価1,680円 講談社出版サービスセンター)
〔すずき・たい お茶の水女子大学教授〕
  • 2000年1月13日朝日新聞朝刊記事: 
    日本の@世界「留学生像、新たな視点で」
    船橋洋一(編集委員) 
 文部省が12日発表した昨年の留学生受け入れ状況調査によると、日本の大学などで学ぶ留学生は55,755人で、前年に比べて4,457人、8.7%増加した。
 90年代に入ると、経済停滞に呼応するかのように海外からの留学生も停滞の度合いを強め、1996年には初めて前年比で減少、その後も低迷状態にあった。
 それだけに朗報には違いない。「反転上昇へと戻ってきた」と中曽根弘文文相は声を弾ませる。「もう少し分析してから言うべきだが」と断わりながらも「過去2年間、相当に奨学金支給を増やしたこと、大学での英語による学習が増えてきたこと、身元保証書の廃止を始め入国・在留の管理を改善したことなどが効果を表わしつつあるようだ」と、はや結論が出ているかのような口ぶりである。
 外国人が留学しやすいように周辺の環境を整えることは大切なことである。
 しかし、それはあくまで周辺の話だ。中核は日本の高等教育の国際競争力にある。さらに言えば「日本に来たくなるような国なのかどうか」(中曽根文相)にある。
 そこは残念ながら「反転上昇」とはいかない。
<魅力ない日本?>
 昨年秋、日本の国際政治学者数人とともにソウルに行き、韓国の知日派のリーダーたちと意見交換した。その時、先方の教授の一人がこう言った。
 「昨日、私の学生の父親から電話をもらいました。『先生には息子のことで大変お世話になって参りましたが、ただ一つ、息子の留学のことだけは、愚痴の一つも言いたくなります。米国の一流大学に行けたものの先生の勧めもあって日本の大学に留学させましたが、やはり米国に留学させるべきでした。グローバル化の時代は日本留学ではつぶしが利きません』そういうのですね」
 発言に他意はなかっただろう。知日派であればあるほど、歯がゆいという気持ちもあるようなのだ。
 留学生事業を手がけている渥美国際交流奨学財団の年報には、日本に留学した人々の手記が載っている。東大医学部に留学した王岳鵬氏は学会でボストンに行った際、ハーバード大学の研究室を訪れたが、そこで働く日米双方を知る中国人研究者から「君も早く来て下さい。ここの研究効率は日本の5倍です」と言われたと記している。
<教育の多様化を>
 日本への留学生のうち約7割が中国と韓国からである。この両国でこうした印象が広がっているとすれば由々しきことだ。
 もっとも、この年報には、東京水産大学で学んだ水産育種の方法が自国の養殖に貢献することを確信したというブラジルの研究者や日本の近代化に当たっての教育の役割を研究し「近代化と教育に失敗した」自国のこれからの教育政策に生かしたいとするベトナムの教育研究者の手記も載っている。日本の高等教育にはまだまだ与えるものはある。
 ただ、これからはグローバル化と情報化により馴染んだ留学生受け入れ態勢を整えるべきであろう。そのためには日本の教育と教育方法の画一化を変革し、多様化を導入しなければならない。内外を問わず、また学生、留学生を問わず、教えられる側は教える側よりはるかに多様な情報と価値観にさらされ、それを自らの存在証明としている。このギャップを埋めなければならない。
<数にこだわるな>
 もう一つ、若い国の国造りのための人材を育てて送り返すというこれまでの留学生像を変えるべきであろう。彼らが卒業後、または学位取得後、日本で働き、そこで培った専門技能やネットワークを生かして、世界のどこであろうと次の飛躍へのバネとすることができるように、国際競争力と生涯教育の視点を加味した留学生像を模索していくべきだ。
 そのためには、大学だけでなく企業やNGO(非政府組織)も一体となって外の才能を受け入れ、育て、使う共同作業と習慣を身につけなければならない。一定の資格を満たした留学生、卒業後には日本の永住権を与えることも考慮するべきだろう。
 政府は21世紀初頭の実現を目指す「留学生十万人計画」を掲げている。中曽根文相は「もちろんいまでも目標です」と言う。
 しかし、数にこだわる必要はない。大切なのは新たな概念である。

(船橋氏は4月より渥美財団の評議員に就任していただくことになっています。)
 
  • 渥美財団新年会 
2000年1月8日(土)恒例の渥美財団新年会が、鹿島新館/渥美財団ホールで開催され、新旧奨学生とその愛する人達、約70名が集まりました。この日は例年にないほど良いお天気で、西洋暦の新しい千年紀の初日を無事に迎えると同時に、東洋暦の龍の年の始まりを皆で祝うことができました。まず、中曽根文部大臣から渥美家にいただいた皇室ご下賜のお酒で、乾杯をしました。いつものように、参加者はそれぞれ、ビンゴで新しい年の幸運を占いました。また、若い人たち(みみちゃん、ちーちゃん、りょう君)やかつて若かった人たち(王旦さん夫妻とお友達の滝沢さん)のバイオリンとピアノの演奏は、素晴らしい年の兆しでした。子供達は参加者をイノセント・ワールドに引き入れてくれました・・・子供達のかわいらしい演奏は「結局は『小さな世界』なのだ」ということを思い出させてくれました。新年会は、新しいものと古いものの絆を強める機会となりました。(今西訳・2000/01/12)
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  • ラクーン会忘年会 
12月6日、ラクーン会忘年会が、池袋の台湾料理店「大龍門」で開催されました。参加者は、1995年度ラクーンの高玲娜、高偉俊、金熙、F.マキト、施建明、薬会、1998年度ラクーンのE.アディオレ、何祖源、胡潔、羅仁淑、呉弘敏、許暁原、財団より嶋津、今西でした。台湾ラクーンは残念ながら出席できませんでしたが、参加者はおいしい台湾料理だけでなく、いつものように活発な会話を楽しみました。テーブルの奥の方では、餃子を食べながら、この会に飛び入りだった中国国立大学から来た高偉俊さんの友人が、揚子江のダムの有用性を、この計画に懐疑的な中国ラクーンを相手に主張していました。他のグループでは、中華鍋を食べながら、アディオレさんを中心に、宗教について、哲学的な、しかしながら友好的なディスカッションをしていました。財団の新しい事務局長、嶋津さんも仲間に入ってくださり、参加者のひとりひとり話してくださったので、皆嬉しく思いました。この会の設定と会計を担当してくださった幹事の、胡さんと許さんもご苦労さまでした。

しかしながら、宴はそこでは終わりませんでした。2次会はそばのカラオケでした。参加者は、高玲娜さんと羅さんのプロ級の演歌に圧倒されてしまいました。勿論、金熙さんをはじめとして、ほとんどの男性ラクーンは、この時には既に、酒精の力に圧倒されていたわけですが・・・

皆さん、よいお年をお迎えください。
 
  • 2000年度渥美奨学生決定 
来年度からは12名になります。
金 政武 中国 東京工業大学  物質科学
鄭 在皓 韓国 慶應義塾大学 物質科学
鄭 成春 韓国 一橋大学 経済学
高 熙卓 韓国 東京大学 総合文化
林 泉忠 香港 東京大学 国際政治
モルナール,マルギット ハンガリー 慶應義塾大学 経済学
ナイワラ パティランネヘラーゲ,チャンドラシリ スリランカ 東京大学 電子情報
任 永 中国(内モンゴル) 群馬大学 医学
スズキ サトウ,ヒロミ メキシコ 慶應義塾大学 経済学
武 玉萍 中国 千葉大学 医学
徐 向東 中国 立教大学 社会学
曽 支農 中国 東京大学 アジア文化
  • 渥美奨学生の集い 
  • 1999年11月2日午後6時より、恒例の「渥美奨学生の集い」が鹿島新館/渥美財団ホールで開催されました。今年は、東京大学名誉教授で当財団評議員の秋山先生に日本の美についてのご講演をお願いいたしました。12世紀の日本の四大絵巻(源氏物語絵巻、信貴山縁起絵巻、伴大納言絵詞、鳥獣人物戯画)と13世紀の代表作2例(平治物語絵巻、一遍聖絵)を、X線や超拡大写真を含む素晴らしいスライドを使って、詳しく紹介していただきました。専門が違うので、普段は美術館など行く機会の少ない参加者も、八百年前の日本の画家の素晴らしい技を鑑賞し、見えないものまで見ることができるようにする科学の力に感動しました。その後の親睦会では、本年度奨学生で東京藝術大学の王旦さんが、朝から準備して中華料理とイスラム風バーベキューを作ってくださり、参加者一同秋の夜の宴をすっかり楽しみました。

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  • たくさんの応募をありがとうございました
  • 2000年度渥美奨学生募集は、1999年9月30日をもって締め切られました。
    今年は、38大学に所属する172名の方からご応募いただきました。今後、予備書類選考・予備面接・選考会を経て11名の採択者が決定されますが、選考結果は12月中旬に発表されます。
    • 夏の終わりのラクーン会
    1999年8月27日(金)、恒例の夏の終わりのラクーン会が、新宿南口ミロード内、OH CHA CHAで開催されました。残暑の厳しさと、相変わらずの多忙さにもかかわらず、7人のラクーンと今西常務理事が集まり、現在改訂中のラクーン会ホームページと、5周年記念出版「日本で見つけた宝物」販売作戦について話がはずみました。
      参加者:金熙、マキト、高玲娜、金宰晟、何祖源、侯延昆、葉文昌、今西
    宝物の本は、羅仁淑さんのご尽力で、三省堂本店(神田)でも販売してくれることになりました。現在、東京駅八重洲口の八重洲ブックセンターでも販売しています。 皆さん、1冊でも2冊でも良いですから、お知り合いに薦めてください。出版社か財団事務局にご連絡くだされば、請求書と一緒に送付します。
    • ラクーン会 イン ボストン

    1999年8月3日(火)トロントの喬辛さん(Waterloo大学ポスドク研究員:96 Raccoon)と家族、ニューヘブンの張紹敏さん(Yale大学ポスドク研究員:97 Raccoon)と訪米中の今西常務理事は、孫艶泙さん(Havard大学ポスドク研究員:98 Raccoon)と一緒に、ボストンの一日を楽しみました。猛暑もおさまり快適なお天気に恵まれ、ハーバード大学とマサチューセッツ工科大学を見学した後、チャイナタウンでロブスターを食べました。今西常務理事は、前後にトロントとニューヘブンも訪問し、ラクーン会員が海外でもがんばっている様子を見て嬉しく思いました。

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    • 軽井沢旅行

    恒例の軽井沢旅行は、1999年7月23日から25日まで、2泊3日で行なわれました。シンポジウムの夕立の翌日に梅雨明けした今年は、お天気に恵まれ、参加者一同、高原の涼風と木々の緑を心から満喫しました。初日は、例年のように、離山ハイキングやすいかわりと花火を楽しみました。
    2日めのバーベキューは、1999年度奨学生王旦さんが料理長をしてくださってイスラム風シシカバブ、中国チーム合作の餃子、洪徳俊家の台湾からすみとビーフン、そして、ゲストの原嘉男鹿島美術財団事務局長ご夫妻のおでんなどなど、食べきれないほどの御馳走でした。
    3日めのお昼にも横川の峠の釜飯に加えて、ブラジルチームが虹鱒料理を作ってくださり、体重を気にしながらの帰京となりました。このような恒例の行事に加え、今年は新たに軽井沢セミナーを行ないました。海外から4名のラクーン会会員が家族と一緒に参加してくだったので、先輩方の近況を話していただきました。また、2日めの夕方には、石川六郎鹿島建設名誉会長のお話を伺いました。
    普段から会う機会が少ないく、仲良くなる時間も足りない所ですが、軽井沢での昼夜3日間、ディスカッション、先輩のお話、バーベキュー、その上家族ぐるみでの付き合いを通じて、国籍を問わず、参加者は皆、お互いの距離がグンと近くなったように感じました。また、ラクーン会と言う一つの会に対しても、絆を強めることができました。

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    • 設立5周年記念シンポジウム「グローバル化戦略:持続可能な世界をめざして」

    1999年7月21日(水)渥美財団設立5周年を記念するシンポジウム「グローバル化戦略:持続可能な世界をめざして」が東京代々木の国立オリンピック記念青少年総合センター国際会議室で開催されました。会は、佐藤直子理事の司会で進められ、渥美伊都子理事長挨拶の後、中曽根康弘元総理大臣が21世紀の世界情勢についてのお話をしてくださいました。
    その後、榊原英資前大蔵財務官の基調講演では、情報革命が進行する中、いかに情報を得て処理していくかが大切であるが、同時に人と人が接して良い人脈を築いていかなければならないということが語られました。
    次に、ラクーン会を代表して、1996年度奨学生の金雄熙さん(インターネット革命と日本の役割)、1995年度のマキトさん(グローバルスタンダードの落とし穴)、1995年度の高偉俊さん(中国都市化と環境問題)、そして1997年度のウィリアムズさん(仏教とエコロジー)が発表しました。休憩をはさんで、後半は、加藤秀樹評議員(構想日本代表)の進行により、新たに石倉洋子理事(青山学院大学教授)にもご参加いただき、前半の発表者も含めてパネルディスカッションが行なわれました。
    折から、梅雨の終わりを告げる雷雨となり、シンポジウム終了後のレセプションでは、大勢の参加者が雨宿りをしならがら留学生や支援団体の方々との交流を楽しみました。海外から駆けつけてくださった5人のラクーン会会員をはじめ、150人の参加者にお祝いしていただき、おかげさまで渥美財団の設立5周年記念シンポジウムも無事に終わりました。

    • 設立5周年記念出版 「日本で見つけた宝物:留学生の報告」

    日本の心と文化を多方面からさぐる!この激変の時代にグローバル化への道を計りかねているように見える日本や日本人にとって、青春を賭して日本の大学院で学んだ留学生たちの報告は、興味深い示唆を与えてくれる。

    編者: 今西淳子
    著者: 洪徳俊、 金外淑、 D.ウィリアムズ、 薬会、
    キン・マウン・トウエ、 王岳鵬、 方美麗、 羅仁淑、
    高偉俊、 K.ラオハブラナキット、 趙青、 郭在祐、
    朴哲主、 南基正、 F.マキト
    発行: 講談社出版サービスセンター
    電話: 03-3941-5572
    • 2000年度渥美奨学生募集要項ができました

    -昨年より、指定大学枠が広げられましたのでご注意ください-
    日本の大学院博士課程に在籍する留学生で、あと1年で博士号を取得できる見込みがあり、所属する研究科(研究室)と居住地が関東地方(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)にある方は、応募できます。
    募集要項と申込書は、 このホームページより印字できますが、 各大学の留学生奨学金担当課または当財団事務局([email protected])でも配布しています。
    申込書は9月1日より30日まで、財団事務局にて郵送で受付ます。

    • ラクーン会・イン・ソウル

    1999年4月14日(水)午後7時より、ソウル市のヒルトンホテルで、ソウル・ラクーン会が開催されました。当日は、ヒルトンホテルにお勤めの金顯泰氏のご好意により、「渥美国際交流奨学財団様」と書かれた大きな垂れ幕と、ワインとグラス(狸の大好きな?)をかたどった氷彫刻で飾られた特別室に、ソウル市内や近郊に在住の7人の元奨学生の皆さんが集まり、アジア婦人友好会で韓国訪問中の渥美伊都子理事長と、東京から掛けつけた今西淳子常務理事を交えて、それぞれの近況を報告し合いました。 ソウルは、桜と、市の花の連翹が満開で、東京からの訪問者はホテルの窓から南山公園の花見を楽しむことができました。

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    出席者
    1995 Raccoons 朴貞蘭、尹錫姫+金顯泰、朴哲主
    1996 Raccoons 李来賛+朴性ミン、金雄熙、南基正
    1997 Raccoons 李香哲+全芝仁
    AISF 渥美伊都子、今西淳子+今西真帆
    • 博士号取得おめでとう
    <1998年度渥美奨学生>
    曹 波 (男) 中国  博士 早稲田大学(建設工学) 早稲田大学理工学総合研究センター嘱託研究員
    胡 潔 (女) 中国  博士 お茶の水女子大学(文学) お茶の水女子大学人間文化研究科助手
    李 周浩 (男) 韓国  博士 東京大学(電子工学) 東京大学生産技術研究所研究機関研究員
    孫 艶萍 (女) 中国  博士 東京大学(医学) 在ボストン
    呉 弘敏 (女) 中国  博士 東京工業大学(精密工学) フクダ電子株式会社勤務
    許 暁原 (女) 中国  博士 東京大学(農学生命科学) 東京大学農学生命科学研究科研究員

    <1997年度渥美奨学生>
    シルバーナ・
    デマイオ
    (女) イタリア  博士 東京工業大学(技術史) 中亜極東協会講師(在ローマ)
    ラオハブラナキット・
    カノックワン
    (女) タイ  博士 筑波大学(言語学) チュラロンコン大学人文学部講師(内定)
    (在バンコク)

    <1996年度渥美奨学生>
    金 雄熙 (男) 韓国  博士 筑波大学(国際政治経済学) 韓国電子通信研究院専任研究員(在韓国大田)

    <1995年度渥美奨学生>
    朴 哲主 (男)韓国  博士 慶應義塾大学(商学) 三育義明大学流通経営学科専任講師(在ソウル)