2024年度 初めての顔合わせ(4月例会)


4月5日金曜日、2024年度の渥美国際交流財団の奨学生に選ばれた私は、初めての集まりである4月例会に参加するため、財団に向かった。天気は曇天で気温は15℃前後だったが、開花したばかりの桜がきれいな日だった。今年は3月が寒かった影響で、桜の開花が遅れていたのだ。

集合時間11時の15分ぐらい前に財団に到着すると、事務局の方と奨学生と思しき方数名がテーブルを囲んで既に座っていた。私は、同じ時間帯に到着した奨学生の方の隣に座った。心地のよい一人掛けソファーだった。しばらくして、予約席となっていた左隣にも男性が座った。なんと財団の理事長だった。同じ慶應義塾大学出身ということが判明し、しばし歓談した。右隣の奨学生にも名前と出身をお伺いすると、韓国出身とのことだった。韓国語で「私の母は韓国人です」と伝えると、驚いていた。少し嬉しくなった。

奨学生が皆到着したところで、会が始まった。まず、理事や常務理事などがご挨拶をし、財団についてご説明してくださった。私たちがいただく奨学金の一部は、篤志家の方々の寄付によって成り立っているということで、感謝の気持ちでいっぱいになった。続いて、一人ひとり、自己紹介を行った。事務局の方が事前に3つのテーマ(「最近解けて満足している問題とは?」、「好きなスポーツを教えてください」、「あなたの『推し』を教えてください」)を決めてくださっていて、そこから一つ選んで、名前、出身地、研究内容とともに自己紹介するという内容だった。自分のターンが終わったら、次に自己紹介してもらいたい人にフクロウのぬいぐるみを回す。私は後半まで回ってこなかったが、皆さんの自己紹介が興味深くて、自分の番にはすっかり緊張が解けていた。私は「推し」のテーマを選び、数年前からハマっているボードゲームについて熱く語った。他の方の自己紹介で特に印象的だったのは、事務局長の原田さんのお話だった。「刑事ドラマの犯人は、なぜ死体が見つからないぐらい深く穴を掘らないのか」という疑問を長年抱えていたが、穴を掘る作業をご自身が経験し、それが思った以上に大変だったことから疑問が解消したという内容だった。発想と言葉のセンスが秀逸で思わずクスっと笑ってしまった。

自己紹介が盛り上がったことで、時間はだいぶ押していた。集合写真を撮った後、おにぎりや唐揚げ、フルーツやスイーツといったご馳走を囲んで、奨学生や財団の方と交流した。ほかの奨学生とは、博士論文の執筆や大学で非常勤講師として初めて教えることの不安を吐露しあったことで、「皆同じ気持ちなんだな」と、励みになった。まだお互い距離があり、お話ができていない奨学生の方もいるが、今後の交流会や宿泊合宿に対する期待が高まった。

最後に、この場を借りて、渥美国際交流財団の奨学生に選んでくださったことに感謝申し上げたい。私は渥美財団の「良き地球市民の実現」という理念が好きだ。この理念を、私は研究の側面から追求していきたい。まずはこの一年間、奨学生同期の皆さんと励まし合いながら、博士論文を書き上げることを目標にしたいと思う。
 
文責:佐藤祐菜(2024年度奨学生)