真夏のBBQ



「ジョンダリ」が訪れた7月28日。
「ジョンダリ」は、朝鮮民主主義人民共和国が台風委員会に提出した名前の一つで、雲雀(skylark)を意味する朝鮮語(韓国語)です。私にとっては馴染みのある名前の台風12号でしたが、あいにく恒例の〈真夏のBBQ〉の当日にやってきました。
「命に関わる危険な暑さ」が続いていたせいかどうかは分かりませんが、「ジョンダリ」は「経験が通用しない異例」のルートで移動中でした。
あいにくと言えば、7月6〜8日の蓼科ワークショップが思い出されます。蓼科の時もあいにくの雨でしたから。電波がなかなか届かないが、鳥がさえずり木々が息吹きする大自然の中での三日間でした。靄が生み出す幻想的な空間は時間が止まったようで、ここら辺の別荘で博論を書き上げたいということしか思い浮かびませんでした。ところが、7月7日の朝、宿に届いた朝刊が伝える被災地の様子と、刻まれた死傷者の数が夢想中の自分を覚ましてくれました。
そうした自然の「想定外」のことが続く中、2018年7月28日、文京区関口の渥美財団ホールにて、講演会と真夏のBBQがコラボする暑気払いが行われました。

第11回SGRAカフェ「日中台の微妙な三角関係」と真夏のBBQ!!

財団スタッフやラクーンとその家族、その他のゲストなど、40人余りが集まり、2000年度奨学生の林泉忠さん(台湾中央研究院近代史研究所)の言葉に耳を傾けました。戦前から戦後、そして今現在に至るまでの、「日中台」という関係図の起源や現在の問題と課題、今後の展望をめぐって政治学の視点からお話ししてくださいました。質疑応答での経済面からの「日中台」の捉え返しの指摘もあり、門外漢の私としては短時間で「日中台」における問題系を立体的に学ぶことができました。
SGRAカフェの後は懇親会を兼ねてのBBQでした。例年だとホールの中庭で焼きながら交流を深めるという形だそうですが、今回は横殴りの嵐のため、財団の玄関前で〈焼き〉、2階の会場に運ぶという〈出前〉形式が取られました。
すでに3人の先輩方が支度をしていたので、スムーズに〈焼き〉、〈出前〉することができました。ホタテや牡蠣、イカなどの海鮮、やきとり、ステーキ、ソーセージなどビール好きの私にはたまらないものばかりでした。その〈焼き〉&〈出前〉組は7〜8人でしたが、結構時間がかかっていたので、仕方なく焼きたてのBBQを味見しながら乾杯! 立ち込める煙の中でしたが、おそらく2階の会場に負けない盛り上がりがあったと思います。懇親会の後半になってようやく会場に合流し、2018年度奨学生の同期たちと近況を話し合うことができました。〈真夏のBBQ〉が終わった後は、風雨が吹き荒んだのは夢だったかのように静かに止んでいました。

今年は、異常、異例、異端(トランプ大統領と金正恩委員長)のような異化の言葉がよく使われているように感じられます。自分の研究も含めて今年の後半戦にはどのような異化の出来事が起きるのか注目したいと思います。

(文責:趙秀一)