渥美財団設立20周年記念祝賀会 in ソウル



2014年2月14日、渥美国際交流財団設立20周年祝賀会が、ソウル大学湖厳教授会館にて開かれました。日本からは渥美伊都子理事長をはじめ、今西淳子常務理事、嶋津忠廣さん、石井慶子さん、そして翌日の日韓未来フォーラムの発表者の方々、また来賓として未来人力研究院理事長の李鎮奎先生が参加して下さいました。韓国在住のKSRのメンバーは、ほとんどが参加の予定でしたが、当日、出張や会議の延長などで、急遽欠席せざるをえなくなった人がいて残念でした。

冬休み中のこの日は、バレンタインデー、金曜日、さらに「チョンウォル(正月)テボルム(大満月)」と呼ばれる、小正月の日でもありました。ボルムの月というと満月を意味するのですが、旧暦1月15日は一年で最も大きく丸い月ということから、「テ(大)」をつけて呼びます。この日は、厄を払い、一年の豊穣を祈願して、さまざまな風習、行事が行われます。祝賀会では、ナムル、五穀米が、晩餐の特別メニューとして組み込まれ、さらに、皮膚や歯を丈夫にするといういわれのある「プロム」(クルミやピーナッツなどの硬い木の実)がお土産として準備されました。

日本では、東京など関東地方をはじめ各地が大雪に見舞われましたが、ソウルは快晴で、「テボルム」らしい、大きく明るい満月が見られました。参加者は、祝賀会終了後、満月を仰ぎ見ながら、今年一年の誓いをたてるとともに、渥美財団のこれからの益々の繁栄を願ったことでしょう。

祝賀会は、KSR会長である金雄熙さんの司会で、幕をあけました。今西さんのご挨拶、李鎮奎先生のご祝辞のあと、李来賛初代KSR会長により、「応答せよ!AISF20周年、KSR10周年」と題したKSRの紹介および渥美財団20年の歩みについての報告がありました。財団設立以来の数多くの写真をなつかしく見ながら、20年間の足跡をたどることができました。理事長の乾杯で晩餐をはじめ、伽耶琴の演奏、KSRメンバーの近況報告、金雄熙さんのご子息とお友達のギターとベースの演奏が続きました。しっとりとした演奏で祝賀会も閉会へと近づいたところで、来年引退される嶋津忠廣さんからお言葉をいただきました。いつもいらっしゃるのが当たり前のように、長い間、私たち奨学生を支えてくださったので、非常に残念です。閉会の辞のあとの手締めも嶋津さんにお願いし、ぴたっと息の合ったきれいな三本締めで、祝賀会を締めくくりました。

幹事(長?)として、祝賀会を準備した感想は、「無事に終わった」のひと言です。歴代KSR会長、幹事のみなさまのおかげです。参加人数、会場の選定、晩餐のメニュー、記念品の準備(ふくろうの置物、財団のロゴ入りタオル)、そして、東京の大雪にいたるまで、あらゆる心配が頭のなかで駆けめぐっていました。先週の大雪の際に欠航が相次いでいたので、またしてもの大雪の予報に、どうなることかと気が気でなかったです。危うく、主催者なしの祝賀会になるところでしたが、天が味方してくれたようです。

南基正さんは、閉会の挨拶として、次のように述べました。「僕の人生は大きく、渥美財団と関わりのあった人生と渥美財団と関わりのなかった人生に分けることができます。」10年後の30周年には両方の人生の長さが同じになるそうです。南さんはその30周年に向けてがんばるとおっしゃっていましたが、その気持ちはKSR全員同じものだったと思います。

20周年祝賀会は、ソウルを皮切りに開催されました。今後、中国や日本でも行われることが決まっています。ソウルでは、祝賀会の日にちが、偶然小正月と重なったことで、韓国風な味わいが加わりました。北京、東京の祝賀会では、それぞれどのような個性が出るのか、楽しみです。

当日の写真

(文責:韓京子)