鹿島技術研究所見学会報告
2013年11月27日、渥美国際交流財団の渥美理事長を始め、今西常務理事、嶋津事務局長、石井さん、太田さんと2013年度の奨学生7名、計12人が飛田給にある鹿島建設の技術研究所を見学しました。
鹿島技術研究所は「今を拓き、未来を築く力」というスローガンのもと、最先端の建設技術を研究し、素晴らしい技術を開発している研究所です。当日は、本館研究棟でビデオによる紹介から始まり、屋上緑化、オフィスの各種省エネ技術等の見学、その後、西調布実験場へ移動して、3次元高性能振動台と構造実験棟などの設備や実験場を見学しました。最後は2001年度の渥美奨学生で、現在この研究所で働いている全振煥さんの実験室を見学しました。
まず最初に、常務執行役員技術研究所長の戸河里敏様が、ビデオを使って、研究所の組織と活動の概要などをわかりやすく説明してくださいました。鹿島建設は建設業界初の技術研究所を1949年に創立して以来、「土木」、「建築」、「防災」、「環境」という4つの領域に注目、今は本館、西調布実験場、葉山水域環境実験場と検見川緑化実験場の4つの施設で研究開発をしています。大型構造実験棟、3次元高性能振動台、風洞実験室、耐火試験炉、遠心模型実験装置、空気室ラボなど、最先端の技術と設備で地盤環境、耐震、耐火、耐風、コンクリート素材等について研究しています。
飛田給本館での説明と屋上緑化、室内の省エネ技術等を見学し終わってから、シャトルバスで西調布実験場へ移動しました。まず3次元高性能振動台では、2011年3月11日の東日本大地震の時に仙台で観測したX軸(南北)Y軸(東西)Z軸(縦軸)のデータを振動台で再現していただきました。この振動台を使って、建築材料や構造の耐震性が測定できます。振動台の横には、他の業者さんの依頼で実験するための素材である墓石がたくさん並んでいました。振動台の次は大型構造実験棟を見学しました。大型構造実験棟では、様々な大型構造物や耐震上重要な構造物の強度や安全性を大型アクチュエータや自動制御油圧ポンプを用いて調べています。
大型構造実験棟から出て、大きな建物を30数本でサポートできる天然積層ゴム型免震装置(LRB)も見学しました。最後は全さんが担当しているコンクリートの研究室でコンクリートを切片、コード、観察できる切片機と電子顕微鏡を見学しました。1億円以上の装置を管理、利用して研究している全さんは素晴らしいと思いました。
日本や、世界でもトップの建設技術の開発に取り組んでいる研究所を見ることができて、渥美財団や鹿島建設に心よりお礼を申し上げたいと思います。建築技術の発展が続けば、私たちの生活ももっと安全、安心になれると、最先端の研究をしている皆さんたちに感謝したいです。研究所といえば国がやっていると思っていましたが、民間企業がこんなに大きい規模の研究所を持っているのを初めて見ました。私たち留学生の専門に関係なく、奨学生の誰にとっても大変貴重な経験でした。
当日の写真
(文責:許漢修)