渥美奨学生の集い2009
2009年11月6日、「2009年度の渥美奨学生の集い」が、渥美財団ホールで開催されました。今年は、特定非営利活動法人「TABLE FOR TWO 」の代表理事の近藤正晃ジェームスさんにTABLE FOR TWO の活動についてお話しをして頂きました。
TABLE FOR TWO とは、日本における食べ過ぎによる肥満の問題と開発途上国における食料不足の問題とを同時に解決しようとしているプログラムです。その仕組みは次のとおりです。すなわち、日本でより健康的な特定の定食や食品が購入されると、1食につき20円の寄付金が、TABLE FOR TWOを通じて開発途上国の子供たちの学校給食になります。日本で対象となる特定の定食や食品とは、TABLE FOR TWOに参加している企業の社員食堂、カフェ、ネットスーパーおよびコンビニなどで販売される一部の定食や食品です。その定食や食品は、カロリーが制限され、かつ栄養のバランスがとれた食事を可能にする健康的なものであるので、それらを消費することで日本の消費者は、肥満やメタボリック・シンドロームを予防することができます。他方で、上述したように、その各定食や食品の値段のうち20円が、TABLE FOR TWOの事務局によって諸国の開発途上国に送金され、子供たちが食べる学校給食1食分になります。その結果、開発途上国で十分に栄養をとっていない子供たちがより健康的な食事をすることになります。現在、プログラムの支援対象となっている国は、アフリカのウガンダ、ルワンダ、マラウィとインドです。このように、TABLE FOR TWOは、日本人も開発途上国の子供たちも健康的な食事をし、同時に健康になれる仕組みを可能にしています。
講演会はとても印象的でした。私は、アフリカの開発途上国の人々の生活に関するテレビ番組をよく見ます。そのときは、現地の人々が、食料が足りない、非常に苦しい生活をしている場面が出てくる場合もあります。毎回、そこに住んでいる子供たちのことを考え、泣きそうな気持になります。そして、過酷な気候、水不足、治安の悪化などの事実からすれば、その国の政府が食料問題の解決に真剣に取り組んでも、問題がなかなか解決されないことは十分に考えられます。したがって、この問題の解決に当たって、ときには、先進国の支援が必要不可欠なものです。その意味で、先進国である日本の人々の健康を図りながら、開発途上国の子供たちのより健康的な食べ物を確保するというTABLE FOR TWOの活動は注目に値します。TABLE FOR TWOの今後のさらなる発展を心より祈っています。
講演会が終了した後に、親睦会がありました。渥美財団の親睦会はいつもとても楽しいイベントです。今回も非常に美味しい料理と飲み物が用意されていました。今回の「集い」に参加した方々と様々なお話をし、大変充実した時間を過ごしました。
(文責:シェルマトフ ウルグベック)
当日の写真はここをご覧ください。