SGRAメールマガジン バックナンバー
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Xie Zhihai “Speediness in USA”
2015年11月5日 14:56:29
******************************************************************************* SGRAかわらばん593号(2015年11月5日) (1)エッセイ:謝志海「アメリカに見るスピード感――同性婚の容認」 (2)新刊紹介:リンチン「現代中国の民族政策と民族問題:辺境としての内モンゴル」 (3)第50回SGRAフォームin北九州へのお誘い(11月14日北九州)(再送) 「青空、水、くらし――環境と女性と未来に向けて」 ******************************************************************************* (1)SGRAエッセイ#473 ◆謝志海「アメリカに見るスピード感―同性婚の容認」 アメリカ連邦最高裁判所は2015年6月に同性間による結婚を認めた。すなわち同性婚は全米50州と首都ワシントンで合法となった。この判決は、アメリカだけでなく、世界中で大きな反響を呼び、ソーシャルネットワーク(SNS)上ではLGBT(性的少数者)の象徴である虹色を自身のプロフィール写真にスクリーンカラーとしてのせる人がたくさん現れた。ホワイトハウスが虹色にライトアップされた写真も同性婚容認のニュースと共に世界中に配信された。この写真を見て、私は米国民と政府の距離に親しみを感じた。法の改正をホワイトハウスそのもので表わす。国民にとってとても伝わりやすい。このような光景を日本や中国で見られる日はいつ来るだろう。アメリカの多様性の受け皿の大きさを痛感する。アメリカという国を少しうらやましく思う。そしてこの判決は単に同性婚が認められたという一つの事実以上にたくさんの事を教えてくれる。 まず始めに、この同性婚容認で一番感心したのは、アメリカ政府が世論の急速な変化に対応したというスピード感だ。2004年にマサチューセッツ州で初めて同性婚が認められたが、保守的な州では根強く同性婚禁止が制定されていて、後が続かなかったイメージだったのに。単にオバマ大統領が同性婚の支持を表明したからというだけではない。何かもっと大きな目に見えないものに動かされた判決のような気がする。先述の通り世論の変化だ。 アメリカではドラマの中でLGBT役の人物がよく登場する。大抵はそのドラマを面白くするキーパーソンとして、まるで自分の周りにもこういう友達がいればいいなと思わせるキャラクターが多い。主役でも悪者役でもなく、物語に自然に溶け込んでいる。ドラマの中ではLGBTが「普通」に存在している。日本や中国のドラマを観ていても遭遇しない登場人物達だ。また実生活でも俳優に限らず有名人がLGBTであることをカミングアウトしている。勇気ある行動だと思う。このようにアメリカでは法で認められるよりずっと前からLGBTの存在が大きくなってきている。政府がその「普通」な存在を見逃さなかったことは、LGBTの人に限らず、アメリカ国民にとって大きな意味があるのではないだろうか。 もちろんアメリカが同性婚容認に傾いたのはメディアや有名人のカミングアウトだけでない。アメリカの大企業が同性愛者をはじめ人種差別などの社会問題に関わりはじめたことが大きい。今年3月の最高裁に提出した意見書には379の企業・団体が名を連ね、国際的有名企業も含まれている。同性婚容認は、大手企業の(社会問題に関わろうという)姿勢の変化が政府にちゃんと届くのだ、ということを証明したとも言えるのではないだろうか。もちろん、企業はあらゆる層の顧客を獲得しなければならないし、政治家は票が欲しいから同性愛者を支持するまでだという見方もできる。一理はあるだろうが、企業が世の中の変化に対応して、社会問題を経営のテーマに取り込むことは、利益ばかり追うだけよりもずっとよいことではないだろうか。 経済学や政治学というサブジェクトにとどまらず、それらに同性愛者、人種差別、男女の賃金格差等の社会問題が含まれることは、広い視野で物事をとらえるチャンスであり、今の時代には必要なことだろう。日本版ニューズウィークの2015年7月14号によると、実際のところ、アップルやウォルマート(米国小売最大手)のような大企業はできるだけ多様な人材を雇い、消費者の変化に対応しようとしているそうだ。大手企業が始めると世の中のトレンドになってゆくので影響は大きい。従業員を雇う際、人種どころか同性愛者を差別していては優秀な人材を見逃すかもしれない。その優秀な人材がオープンな社風の他社に採用されてしまったら?世の中の変化に敏感になっておくことは経営のリスクを避けることができるのだ。同性婚支持の意見書に署名した企業の一つであるゼネラル・エレクトリック(GE)のCEOジェフ・イメルト氏は(LGBTについて)「ビジネスの観点で言えば、ダイバーシティは競争力であり、文化そのもの」と言う(日経ビジネス_2015年8月24日号より)。 もう一つ、アメリカらしいエピソードとして、政治家と国民の距離が近いと感じた瞬間を紹介したい。日本経済新聞2015年8月4日の記事「同性婚容認_米の変化」の中に、同性愛を公言する人が増えたことも世論に大きな影響を与えたとして、例を挙げている。同性婚禁止派のブッシュ政権時代のチェイニー元副大統領は、次女が12年に女性パートナーと結婚し、容認派に変わった。オバマ氏が同性婚支持を表明した理由も、娘からの抗議がきっかけ。娘の友人の両親が同性カップルで、「(同性婚禁止は)納得できない」と娘に言われたのだという。このような政治家、ましてや現職の大統領の私生活からのエピソードがアメリカ国民どころか、海を越えて日本の新聞にまで掲載されるとは。日本や中国の国民にとっては、首相や国家主席のプライベートな部分は知る由もないのだが。 世論の変化のスピードに国が追いつき、国を変える。日本や中国では国民の声が政治家に届くと国民が実感できるのはいつになるだろう。大国ゆえ解決すべき問題が山積みのアメリカ。同性婚が全州で合法にはなったものの、アメリカは州や裁判所の管轄区によって政令が違うので、LGBTに対する結婚以外の差別、例えば住居、雇用については完全に平等とはまだ言えない。引き続き、州や地方レベルで平等への戦いは続く。同性婚容認の流れに乗って、引き続き市民の声を吸い上げて欲しい。そしてそのムーブメントが今後アジアに影響を与えるようになるといい。 <謝志海(しゃ・しかい)Xie Zhihai> 共愛学園前橋国際大学専任講師。北京大学と早稲田大学のダブル・ディグリープログラムで2007年10月来日。2010年9月に早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程単位取得退学、2011年7月に北京大学の博士号(国際関係論)取得。日本国際交流基金研究フェロー、アジア開発銀行研究所リサーチ・アソシエイトを経て、2013年4月より現職。ジャパンタイムズ、朝日新聞AJWフォーラムにも論説が掲載されている。 (2)新刊紹介 SGRA会員で内モンゴル大学准教授のリンチンさんから新刊書をご寄贈いただきましたのでご紹介します。 ◆リンチン(仁欽)「現代中国の民族政策と民族問題:辺境としての内モンゴル」 1950、60年代の内モンゴルは果たして「民族自治の黄金時代」だったのか? 放牧地開墾や漢人入植の実態と影響、末端地域における政治や言語政策、それに土地改革、反右派闘争、大躍進、文化大革命などの分析を通じて、中国でいち早く民族政策が実施された内モンゴル社会の変化を明らかにする。 発行所:集広舎 定価:5,500円+税 ISBN:978-4-904213-339 C0093 発行日:2015年10月28日 【目次】 序論 第1部 1950 年代の社会改革期における諸問題 第1章 綏遠省蒙旗土地改革における問題 第2章 牧畜業の社会主義的改造の再検討 第3章 牧畜業地域における人民公社化政策の分析 第4章 1950年代のモンゴル言語・文字使用の実態 第2部 経済的統合の拡大と漢地化の加速 第5章 「大躍進」期における放牧地開墾と人口の問題 運動の展開 第6章 国営農牧場・生産建設兵団の建設と漢地化の推進 第3部 政治運動の推進とイデオロギー的統合の強化 第7章 反右派闘争におけるモンゴル人「民族右派分子」批判 第8章 「四清運動」における民族問題 第9章 知識青年下放運動の検討 結論 詳細は下記リンクをご覧ください。 http://www.shukousha.com/information/publishing/4307/ (3)第50回SGRAフォーラムin北九州へのお誘い(再送) 下記のとおり、第50回SGRAフォーラムを開催いたします。 参加ご希望の方は、SGRA事務局にご連絡ください。 ◆「青空、水、くらし――環境と女性と未来に向けて――」 日時:2015年11月14日(土)午後1時~5時 会場:北九州市立大学北方キャンパス_本館2階C-202教室 http://www.kitakyu-u.ac.jp/access/kitagata.html 参加費:フォーラム/無料 フォーラム終了後の交流会/一般1000円、学生500円を予定 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局宛に事前にお名前、ご所属、連絡先をご連絡の上、参加申込みをしてください。 SGRA事務局([email protected] Tel: 03-3943-7612) ◇フォーラムの概要: 北九州市は大気汚染や水質汚濁など1950年代、60年代の経済成長に伴ってもたらされた深刻な公害を克服し、今日では国から「環境未来都市」に選定されるなど「世界の環境首都」を目指したまちづくりを行っています。 その礎を築いたのは、当時、子どもの健康を心配した母親たちでした。母親たちは「青空が欲しい」というスローガンを掲げ、「反対運動」や「告発」ではなく、母親たち自らの活動により、企業や行政に改善を求める運動を起こし、それが公害克服と環境再生の原点となったと同時に女性(母親)の社会参加の象徴ともなったのです。 今回のフォーラムは《青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて-》と題して、北九州市のみならず、中国、韓国などの事例をもとに、深刻化する環境問題に直面する女性や母親の意識の変化や社会参加の試みについて議論します。 ◇プログラム: 【事例発表】 事例発表1(日本) 「『青空がほしい』運動に学ぶ-現在に問いかけるもの-」 神﨑智子(アジア女性交流・研究フォーラム主席研究員) 事例発表2(中国) 「変わるのか、母親の意識-中国の母親の環境意識の変化と活動-」 斉藤淳子(北京在住フリージャーナリスト) 事例発表3(韓国) 「絶え間ない歩み-韓国YWCAの環境活動と女性の社会参加-」 李ユンスク(韓国YWCA運動局部長) 【オープンフォーラム】 モデレーター:田村慶子(北九州市立大学法学部教授) 神﨑智子(アジア女性交流・研究フォーラム主席研究員) 斉藤淳子(北京在住フリージャーナリスト) 李ユンスク(韓国YWCA運動局部長) 小林直子(特定非営利活動法人_里山を考える会) 【交流会】 希望者のみ(会費:一般1,500円、学生500円を予定) ◇プログラムの詳細は、下記のURLをご覧ください。 http://goo.gl/mYBk0g ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第50回SGRAフォーラム<参加者募集中> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4961/ ◇第9回SGRAチャイナ・フォーラム<参加者募集中> 「日中200年―文化史からの再検討」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/5098/ ◇第15回日韓アジア未来フォーラム(2016年2月13日東京) 「これからの日韓の国際協力-ODAを中心に」<ご予定ください> ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 発表論文の投稿は締め切りました。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
SGRA Fukushima Study Tour #4 Report
2015年10月29日 21:58:35
*********************************************************************** SGRAかわらばん592号(2015年10月29日) (1)第4回SGRAふくしまスタディツアー「飯舘村、帰還に向けて」報告 (2)エッセイ:金銀惠「飯舘村、再生のジレンマを乗り越えて」 (3)催事案内:講演会 菅野宗夫「ふくしま再生に向けて」(11月16日東京) *********************************************************************** (1)第4回SGRAふくしまスタディツアー報告 渥美国際交流財団SGRAでは、2012年秋から毎年、福島原発事故の被災地である福島県飯舘(いいたて)村へスタディツアーをしています。そして、一連のスタディツアーでの体験や考察をもとにしてSGRAフォーラムやSGRAカフェ、「アジア未来会議」での写真展示やセッションなど、さまざまな催しを展開してきました。 今年も、<飯舘村、帰還に向けて>をテーマとして10月2日(金)から4日(日)まで、飯舘村の視察、見学と協働作業体験としての「稲刈り」を中心とした4回目のスタディツアーを行いました。 参加者は渥美財団の仲間、そして早稲田大学の小林敦子先生、大阪大学の4回生宮野原勇斗君を含めた9名。受入は、毎年お世話になっている「ふくしま再生の会」にお願いしました。 参加者の内、ソンヤさんは3回目、李鋼哲さん、ジャクファルさん、金銀恵さんは2回目。このように、年ごとの移り変わりを知るために訪れるリピーターとの再会に、地元の方々の喜びもひとしおでした。 飯舘村のアチコチが除染土のピラミッドで覆われる様に心を痛める一方で、2017年3月の帰還を前にして、「次世代、次々世代のために」村の農業や酪農の再生に力を注ごうとする方々の意欲と切実な思いが感じられるツアーでした。 (渥美財団事務局長 角田英一) ツアー日程の詳細は、下記リンクをご覧ください。 http://goo.gl/KYUn5T ツアーの写真は、下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/sgra/?p=5383 (2)SGRAエッセイ#472 ◆金銀惠「飯舘村、再生のジレンマを乗り越えて」 1.日本研究者として福島にどう向き合うべきか。 震災から4年半、SGRAふくしまスタディツアーも4回目になりました。 私は、2011年の渥美奨学生として、東北大震災以降の、日本国内外での大混乱を生々しく経験しました。それは、一生忘れられない経験でした。その年、「石巻の炊き出し」にも参加して、震災地の住民たちの力になりたいという気持ちも少しは晴れました。一方で「福島原発事故」には、如何なる形で向き合うべきかと悩みましたが、その頃は、直後の事故収束で緊迫していて、「再生」は、まだ私の心には響かない言葉でした。 私は、帰国して博士号を取得した後、「グローバリゼーション時代の東アジア都市の危機と転換」というテーマの研究チームで、共存とサステナビリティが可能な東アジアの都市を模索しています。勿論、他の日本研究にも関りながら、原発が生み出す「危険景観(Riskscape)」を巡る北東アジア(日本・中国・台湾・韓国)での対応や変化を分析しています。特に、私は、「福島原発事故以後、日本市民社会の変化と模索」の研究に集中しています。 2.2014年冬、パイロットスタディ 私は、去年(2014年)12月に、初めて飯舘村を訪ねました。それまでも「福島の対応」に関心を持ちながら、マスコミ報道や資料を読み続けていました。だが、自分が現地で目の当たりにしたフレコンバックのピラミッドは、言葉に尽くせない凄まじい光景でした。2日間の訪問の中で「ふくしま再生の会」の田尾陽一さんが、最初の飯舘村民との出会いから、NPO法人に至るまでの経緯を詳しく説明してくれ、菅野宗夫さんは、事故直後の混乱から抜け出して、再生に向かう決意を語ってくれました。 何よりも私にとって印象的だったのは「科学技術への信頼回復」のために、被災した農民とボランティアと科学者が共同作業をする姿勢でした。 「反原発・脱原発」という言葉をよく使いますが、実際、現場で住民と手を組んで、一歩ずつ踏み出す団体は数少ないのが現実です。目に見えない放射能だからこそ、科学技術との連携が必ず必要です。その点で「ふくしま再生の会」は、世界最先端の集まりではないかと思いました。 その夜の交流会では、工学と農学・林学の研究者、そしてボランティアの方々が一緒に、原発事故の原因、事故収束などについて、激論が続きました。人災に近い原発事故。そこから立ち上がるため、農民の知恵と多様な専門の融合の中から生まれ出たアイディアを少しずつ実験して、そのプロセスや結果を世界に発信するという考えに、私も共感しました。特に、「農学(農業)の力で福島を再生したい」という熱い思いに感動し、自然の再生を生かす科学こそが、人を生かす学問になると思いました。雪が積もった寒い朝、管野さんの奥さんの千恵子さんから暖かい靴下を貰って、明大農学部が設置した「ビニールハウスでの作業」を手伝いしなら、「農学に才能がある」と褒められて、再生のための実験に少しでも力になりたいと思いました。 3.2015年秋、再参加と協働作業 今回のスタディツアーには、渥美財団の仲間や関係者など国籍や分野、性別も世代も多様なメンバー達と共に参加しました。ツアーの2週間前に「豪雨のニュース」を聞いて本当に心配でした。「再生の会」からのメールでは、「再生の会」の拠点である菅野宗夫さんのお宅の周りの道路は破壊され、実験用ビニールハウスから収穫前の田んぼまでが被害を受けたことも伝えられました。実際、行ってみたら、道路やビニールハウスは復旧されていましたが、力を注いだ田んぼの1/5位の稲は、降雨で倒れてしまっていました。 2日目の協働作業体験は、その倒れた稲を起しながらの稲刈り作業と収穫の祭でした。 慣れない農作業の途中、周りで落穂拾いをしている二人に出会いました。将来飯舘村長の夢を持つ若い世代の代表、佐藤聡太君は、不安や期待が交差しながらも、飯舘村の再生に熱い抱負を語ってくれました。もう一人は、千葉からのボランティアの方で、今回が2年目の「稲刈りへの参加」で、落穂をお宅に飾って「福島の再生」を祈念していると話してくれました。 正直、昨年初めて参加した時には、「再生」という言葉自体に大きな疑問もありましたが、今回は「再生の力は、人の力だ」と強く感じました。 「イネ(畑作)試験栽培」の田んぼの稲刈り作業の中で、「コオロギ、ミミズ、オケラ、お腹が赤いイモリ」まで生きていて、「こんなに多様な生き物の居場所でもあった」と日本語の名前や子供の頃の思い出なども話し合いました。「生命の居場所としての土地」を再生することが、本当の再生の第一歩だと再確認した瞬間でした。しかし、向こうの田んぼにはびこる雑草を除去する作業からは、一日中凄い音が聞こえていました。骨の折れる除染作業、私が出会った政府から派遣されている作業員も、みんな若者でした。こうした厳しい労働を「再生の喜び」と結び付ける政策は本当にないのかと思いました。 4.厳しい現状を乗り越えて しかし、「再生の念願」を無駄にしないためにも、幾つかの矛盾を考えたいと思います。 まず、直接に測ってみても「放射線量」はまだまだ高くて、場所や条件別に相当の差があり、その実態を乗り越える除染方法を政策に転換する制度改革が切実に求められているのです。東京に戻る新幹線の中では、TPPの交渉で日本の都市消費者は海外から安い食糧を輸入出来ることを喜んでいるというニュースが流れていました。 日本政府の無理な帰還政策だけではなく、厳しい現状に囲まれた「福島農業と住民に本当に役に立つ帰還政策の中身は何か」、「帰還した他の地域の問題(高齢者中心、訴訟など)と、飯舘村の帰還は、どのくらいの差別性をみせるのか」などを議論する必要があると思います。 最後に、国土面積に比べて世界で一番密集した「韓国の原発」、30km圏域だけで300万以上の人口が住んでいることを思い出しました。現在の日本が原発事故以降直面した厳しい現実から、挑戦しつつある科学的・社会的な実験をどのように活かすか、これからも飯舘村の再生の道に注目すべきだと思いました。 <金_銀惠(キム・ウネ)KIM Eun-hye> 韓国全州出身。ソウル在住。2013年に韓国ソウル大学社会学科より博士号(社会学)取得。専門分野は、都市・文化・日本社会学(メガイベント・世界都市論・開発主義)。現在、ソウル大学アジア研究所、SSK東アジア都市研究団選任研究員。最近は、東アジア都市の比較研究を発展させ、都市の危機を新しい転換の機会として模索している。SGRA会員。 (3)催事案内:講演会「ふくしま再生に向けて」 毎年、SGRAふくしまスタディツアーでお世話になっている、菅野宗夫さんと佐藤聡太さんの講演会です。今年のスタディツアーに参加した、早稲田大学の小林敦子先生が企画されました。ふるってご参加ください。 ◆「生きがいを求め 次世代に何を残す―原発事故の教訓を世界へ―」 福島と言えば放射能汚染。これが多くの人が抱くイメージではないでしょうか? しかし、福島県飯舘村では、農民自身による再生への取り組みが、力強く始まっています。 この講演会では、帰還と再生に向けて動き始めた菅野宗夫さんと、次世代を担う佐藤聡太さんをお迎えして、現地の方々の声に耳を傾けたいと思います。 講師:菅野宗夫(「ふくしま再生の会」、福島県飯舘村農民) コメンテーター:佐藤聡太(東京大学大学院農学生命科学研究院、福島県飯舘村出身) 日時:2015年11月16日(月)18時15分~20時15分 会場:早稲田大学早稲田キャンパス 14号館406号室 http://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2015/08/waseda-campus-map.pdf 参加費:無料(直接ご来場ください) 問い合わせ:早稲田大学教育学部小林敦子ゼミ [email protected] チラシは下記リンクよりダウンロードしてください。 http://goo.gl/kDbhrR ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第50回SGRAフォーラム<参加者募集中> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4961/ ◇第9回SGRAチャイナ・フォーラム<参加者募集中> 「日中200年―文化史からの再検討」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/5098/ ◇第15回日韓アジア未来フォーラム(2016年2月13日東京) 「これからの日韓の国際協力-ODAを中心に」<ご予定ください> ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 発表論文の投稿は締め切りました。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
J.I.Forum Co-hosting Report
2015年10月22日 15:29:15
************************************************************************ SGRAかわらばん591号(2015年10月22日) (1)JIフォーラム『戦後70年Ⅱ:歴史記憶と歴史認識を考える』共催報告 (2)エッセイ:外岡豊「JIフォーラムに参加して」 (3)SGRAカフェへのお誘い(10月24日(土):当日参加受け付けます) 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 ************************************************************************ (1)JIフォーラム『戦後70年Ⅱ:歴史記憶と歴史認識を考える』共催のご報告 2015年9月28日、渥美財団評議員の加藤秀樹氏が主宰する構想日本のJIフォーラムを共催した。「事業仕分け」を始め、日本国内の課題について検討することが多い構想日本だが、国際的な課題も議論したいということで共催のお話をいただき、また、SGRAとしても国際的な問題をもっと多くの日本の方に考えていただきたいと思っていることから、このフォーラムが実現した。構想日本は7月に「戦後70年 戦前の昭和期に学ぼう」というフォーラムを開催したので、今回は、同じ時代を中国と朝鮮半島の方からみてみようということで、SGRAを長年応援してくださっている劉傑先生(早稲田大学)と木宮正史先生(東京大学)にお願いし、『戦後70年Ⅱ:歴史記憶と歴史認識を考える』というテーマが決まった。 劉先生は、1972年に毛沢東・周恩来と田中角栄・大平正芳が日中国交正常化した時の親密な写真と、昨年11月に安倍晋三と習近平がよそよそしい顔で握手をしている写真を比べ、日中友好の後退をビジュアルに示した。さらに、政治家だけでなく、両国の意識調査で80%以上の国民が、互いの国を嫌いだと言っていることに言及した。そして、近年中国の学会で歴史の再認識の動きがあることに触れたうえで、この状況を改善するためには、知的レベルの交流を推進し、日本研究においては、戦前も含めた日本の成功と失敗の経験をアジア全体で共有しうる公共知とする必要性を主張した。 木宮先生は、日韓関係は1965年の日韓基本条約で、それ以前の問題をきちんと解決できないまま締結したことが火種になっているが、現在の問題の背景には、垂直から水平へ(日本が旧支配国、経済発展先行国から平等な力関係へ)の日韓関係の変化があること、韓国の多様化、多層化に伴う韓国国内の対立が鮮明化していること、更には、批判を恐れて日本と妥協しにくい状況があることを指摘した。その解決方法として、日本は狭義の歴史問題に積極的に取り組み、一方、韓国は日本の取り組みを認めることで、日韓問題の「歴史問題化」を自制する必要がある、また、共に対中認識、対中政策における接近の可能性を追求すべきだと主張した。 モデレーターの加藤氏から、「歴史問題は、あまり細かいことにこだわらずに、大きく見るようにしたい」という前置きがあったが、両先生のお話はまさに現代史の大きな流れを俯瞰したものだった。アンケートにも「ディスカッションの通り、何が真実か分からず自分の意見が持ちにくいテーマです。こういう機会を増やし、少しでも真実に近づけるように、また個人の意見としてもはっきり言える考えが持てるようにしたい」というコメントがあり、主催者側の望んだ効果があったと思われる。「正義」とか「正しい」がでてくると窮屈になって自由な空間が失われる、外国はわからないが昨今の日本は確実に窮屈になっている、という加藤氏の指摘が印象に残った。当日ご参加くださった方、共催にあたってご協力いただいた方々に御礼を申し上げたい。 (SGRA代表 今西淳子) (2)SGRAエッセイ#471 ◆外岡豊「JIフォーラムに参加して」 SGRAと関係が深い2名の講師、木宮正史氏(東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授、韓国政治史)と劉傑氏(早稲田大学社会科学総合学術院教授、近代日中関係史)を招いて、構想日本代表の加藤秀樹氏がコーディネータを務めたJIフォーラムに参加した。 私は、フォーラムの最後の質疑応答の時に、劉傑氏の言う公共知の構築による国民的和解をネット上のプラットフォームを作って推進すべきであるという意見を述べたが、その後の交流親睦会において自分の発言が意に反して逆の意味にとられかねないことが判明したので訂正しておきたい。 東アジアの歴史を概観すると、中国ではアヘン戦争以来の混乱があり、韓国では朝鮮戦争で南北に分断されたままの異常事態が続いており、日本は明治維新以来、日清、日露、日中戦争、太平洋戦争と戦争が続き、敗戦になったが、それらの社会的混乱はすべて欧米列強の植民地支配をねらった進出がもとになっている。 台湾、韓国、満州での異民族地域支配を決して正当化できるものではないが、日本はペリーの黒船来航以来、欧米人の東アジアへの進出に対して、アジア人として対抗する必要があり、侵略戦争とされている度重なる戦争も、各地への進出も(少なくとも初心においては)アジアを守るための戦いであったと、はっきり主張すべきであるとの意見も根強い。 日本における戦後の歴史教育はアメリカに都合のよいように仕向けられて、すべて侵略戦争だとして説明され、それが日本人に自虐史観を植え付けてきたという説もある。これは敗戦後、アメリカ占領軍がかつての日本人の団結力を恐れ、日本が再び好戦的な国として立ち上がることがないように、民族の誇りを持たせないように、ゆがんだ歴史教育を強いて、それが今も続いているのだ、という。世界の世論調査で国際比較すると日本の若者は愛国心が薄弱、親を尊敬しない、自分に自信がない点において先進国中突出しているというが、これはアメリカの占領後の対日戦略の結果だとされ、こうした現状を打破して日本人の誇りを取り戻そうとする活動も最近活発化しているようである。私は積極分子ではないが、いろいろな考え方の人がいることを知るために、この数年その手の勉強会にも参加している。 歴史は常に時の為政者に都合の良いように書かれるものだとされるが、それでは国民感情としての歴史認識問題は解決できない。劉傑氏の提案のようなアジアの公共知としての歴史を構築するには、そのための客観的な、各国政治に影響されない共通歴史資料の蓄積が必要である。残念ながら日本人は歴史基礎知識が不足していて、近隣諸国占領の歴史を知らない人も多く、まして占領支配された側の苦しみを実感できるような知識も情報も不足している。 政府はどうしても政権に都合のよい歴史を国民に押し付け、外国にも主張しようとするが、現在のネット社会では政府とは無関係な市民間情報の共有ができるので、国境を越えた客観的な歴史資料を公共知の基礎として市民が構築すべきである。矛盾する様々な説があるだろうが、それらを互いに客観的な根拠を添えて主張し、誰にもわかりやすく説明し、その基礎知識を提供する役割が歴史学者に求められている。各国市民はそれらを見て、政府発表とは違う諸説があることや、各国に様々な見方があることを知り、それらを総合した客観的な認識を得ることによって、政府の歴史観のもとに市民間で対立していても意味がないことと実感し、自然にわだかまりが解けるような効果を期待したい。 一方、歴史認識問題を含め政府間の対立を解決するのは外交官の仕事であり、最近、日中韓でそれがうまくいっていない現実は、各国ともに外交官の交渉能力が低下しているのではないかと懸念される。 毛沢東は「存在が意識を決定する」と言い、政治に関与する者は各階層(特に貧農下層中農)の人民の立場に立って考えよと説いたが、それは、意識しないと、とかく自分の立場の限られた視点だけでものを考えてしまいがちだという指摘である。支配される側の他国民の立場や感情を日本人が想像することは難しい。 このことが念頭にあったので、発言の中で、「日本人は植民地にされた経験がないので韓国、中国、台湾の非支配者の立場を理解しがたい」と言ったが、無頓着な態度を反省なく肯定しているかのように受け止められかねない言い方であったと後から気が付いた。 それは講演後の懇親会で、日本も米軍に占領支配された経験があるではないか、と言われて、その人と話すうちにどうも誤解を招く発言であったようだと思った。確かに沖縄では多くの市民が犠牲になった。本土では爆弾を落とされて市民多数(原爆と東京大空襲だけで30数万人)が死亡したが、長期間の植民地支配を受けたわけではないので、支配された経験がないと言ってしまった。 しかし、考えてみれば、戦後70年の日米関係は、巧妙な支配でいまだ敗戦国から抜け出せていない。70年経っても米軍基地は残り、いつなくなるのか展望もないままである。アメリカはイラクを日本のように柔軟に支配して何でも聞いてくれる国にしたかったのだ、という説も聞いた。日本は隠れ植民地支配されているも同然と言うべきかも知れない。 ローマ法王は現代の企業は人から収奪し環境を傷めつけていると明言している。現在の先進国の企業活動は合法的に巧妙に利益吸収して、1%の富裕層が貧しい99%を支配しているという構図はトマ・ピケティーが指摘している通りであり、金融派生商品の発達や、会社の重役の持ち株の売却に際して、その税制がアメリカでも大きな不平等を生んでいるとの指摘もある。世界的に一部の人が彼らの利益追求のために国家にも影響力を持ち暗躍していて、実はそれが世界各地の紛争をあおっているとするうがった説もある。 世界を支配する一部の人達のあくなき利益追求の下でアジア人同士がいがみあっていても始まらない。共に協力してより多くの収穫が得られるよう努力してきた稲作協働文化社会であり、儒教社会でもある日中韓においては和解しやすい基礎は元来あるはずである。 皆さん御承知のように渥美国際交流財団ではまさに劉先生が提唱する公共知構築に寄与する国際的な研究会を各地で開催してきていることは関係者として誇らしいものである。渥美財団の奨学支援で育った優秀な人材が各地で活躍しており、彼らと共に人の輪を広げて、相互理解を深め、アジアが率先して互恵社会を作り上げて行けるよう、EUに負けないアジア経済社会圏を早く実現できるように期待したい。この勉強会はその一歩となる有意義なものであった。 <外岡豊(とのおか・ゆたか)Yutaka TONOOKA> 神奈川県出身 湘南高校卒業、早稲田大学理工学部建築学科卒業、同大学院終了、工学博士 埼玉大学大学院人文社会科学研究科教授 早稲田大学招聘研究員、大連理工大学と西安交通大学の客座教授、元Imperial College、Visiting Prof. 建築学会地球環境委員会、同倫理委員会委員、低炭素社会推進会議(18団体で今年設立)幹事、森街連携会議代表、エコステージ協会理事、日本都市問題会議世話役他 専門分野は都市環境工学、環境政策、とくにエネルギーと環境のシステム分析 最近は気候変動対策評価研究を発展させて、持続可能社会について考察中 SGRA会員 (3)第8回SGRAカフェへのお誘い(最終案内) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、「性別やジェンダー(「女」「男」であること等)について、考えるきっかけをつくる」ことをめざし、シンガポール出身のシム_チュンキャットさん、ノルウェー出身のデール_ソンヤさんのお二人を中心とした座談会を開催します。 準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ◆「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 日時:2015年10月24日(土)14時~17時 会場:渥美国際交流財団ホール http://www.aisf.or.jp/jp/map.php 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局([email protected]) ◇講師からのメッセージ: 日本には、女子大学というものがまだ存在しています。男女平等という話題が盛り上がっている現在において、女性しか通えない大学は要らないと思っている人は多いかもしれません。男子大学はないし、男女平等の社会だったら、性別に関わらず誰でもどのスペースでも利用できるはずでしょう。 このカフェは、性別やジェンダー(「女」「男」であること等)について、考えるきっかけにしていただけたらと思います。大学というテーマを中心に、「女」である、または「男」であることと、その社会的な妥当性について考えましょう。 女子大や、大学でジェンダーの勉強することについての発表の後、このテーマについて話し合う場をつくりたいと思っています。このカフェは講演会ではなく、ディスカッションのためのカフェです。皆さんの積極的な参加をお待ちしています! ◇講師略歴 <シム_チュンキャット Sim_ChoonKiat 沈_俊傑> シンガポール教育省・技術教育局の政策企画官などを経て、2008年東京大学教育学研究科博士課程修了、博士号(教育学)を取得。昭和女子大学人間社会学部・現代教養学科准教授。SGRA研究員。 <デール、ソンヤ Sonja_Dale> 2014年上智大学グローバル・スタディーズ研究科博士課号取得。東海大学他非常勤講師。ウォリック大学哲学部学士、オーフス大学ヨーロッパ・スタディーズ修士。2012年度渥美奨学生。 ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第8回SGRAカフェ<参加者募集中> 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 (2015年10月24日東京)(当日参加を受け付けます) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4990/ ◇第50回SGRAフォーラム<参加者募集中> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4961/ ◇第9回SGRAチャイナ・フォーラム<参加者募集中> 「日中200年―文化史からの再検討」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/5098/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 発表論文の投稿は締め切りました。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Invitation to SGRA China Forum #9
2015年10月15日 19:00:26
******************************************************************* SGRAかわらばん590号(2015年10月15日) (1)第9回SGRAチャイナ・フォーラムへのお誘い 「日中200年――文化史からの再検討」(11月20日フフホト、22日北京) (2)第8回SGRAカフェへのお誘い(10月24日東京)(再送) 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 (3)第50回SGRAフォームin北九州へのお誘い(11月14日北九州)(再送) 「青空、水、くらし――環境と女性と未来に向けて」 ******************************************************************* (1)第9回SGRAチャイナ・フォーラムへのお誘い 下記の通り、第9回SGRAチャイナ・フォーラムを開催します。参加ご希望の方は、事前にSGRA事務局( [email protected] )にご連絡ください。 ◆「日中200年――文化史からの再検討」 【1】フフホトフォーラム 日 時:2015 年11月20日(金)15時~17時 会 場:内蒙古大学蒙古学学院2楼大会議室 【2】北京フォーラム 日 時:2015 年11月22日(日)15時~17時 会 場:北京大学外国語学院新楼501会議室 主 催:渥美国際交流奨学財団関口グローバル研究会(SGRA) 共 催:清華東亜文化講座 助 成:国際交流基金北京日本文化センター 協 力:北京大学日本言語文化学部(北京フォーラム) 内蒙古大学蒙古学学院蒙古歴史学部(フフホトフォーラム) ●フォーラムの趣旨: 従来、東アジアの歴史を語る時、ほとんどの識者が古代の交流史と対比して、近代の抗争史を強調し、両者の間に一つの断絶を見出そうとしてきた。たしかに政治、外交だけに目を向ければ、日中、日韓などの間に戦争も含む数多くの対抗や対立が頻発し、ほとんど正常な隣国関係を築くことができなかった。しかし、もしこの間の三国間の文化的交流、往来の足跡を精査すれば、そこには近代以前とは比べられないほど多彩多様な事実、事象が存在していることに気付くだろう。そしてその多くはいずれも西洋という強烈な「他者」を相手に、互いの成果、経験、また教訓を利用しながら、その文化、文明的諸要素の吸収、受容に励む努力の跡にほかならない。その意味で、東アジア、とりわけ日中韓三国はまぎれもなく古来の文化圏と違う形で西洋受容を中心とする一つの近代文化圏を形成していたのである。 また、従来、日本にせよ、中国にせよ、その歩んできた歴史を振り返る際に、往々にして周辺との関係を軽視し、あたかも単独で自らのすべてを作り出したかのような傾向も存在している。これはあきらかに近代以降のいわゆる国民国家という枠組みの中で成立したナショナリズムに由来する一国主義のもたらした影響である。ところが、多くの古代、近代の史実が示したように、純粋な国風文化はそもそも「神話」に過ぎず、われわれはつねに他者との関係の中で「自分」そして「自分」の文化を形作ってきたのである。近代日本にとって、この他者は、むろんまず西洋という存在になるが、ともにその受容の道程を歩んだもう一つの他者――中国や韓国も当然無視すべきではないだろう。 そして、昨今、とりわけ日中の間にさまざまな摩擦が生じる時に、よく両国の「文化」の違いが強調され、その文化の差異に相互の「不理解」の原因を探ろうとする動向も見られる。しかし、これもきわめて単純な思考と言わざるを得ない。文化にはたしかに変わらない一部の古層があるが、つねに歴史性を持ち、時代に応じて流動的に変化する側面も存在する。したがって共通する大事な歴史的体験を無視し、文化の差異ばかりを強調するのはいささかも生産的ではなく、結局は自らを袋小路に追い込むことにしかならない。 以上に鑑み、本フォーラムでは、いわば在来の一国主義史観、文化相互不理解論などの弊害を修正し、過去の近代東アジア文化圏、文化共同体の存在を振り返りながら、その経験と教訓を未来にむけていかに生かすべきかについて検討し、皆さんとともにその可能性を探ってみたい。 (参考文献:劉建輝著『増補・魔都上海――日本知識人の「近代」体験』2010年、同『日中二百年――支え合う近代』2012年) ●プログラム 【1】 フフホトフォーラム(講演) 総合司会:宝音德力根(内蒙古大学蒙古学学院蒙古歴史学部) 講 演:劉 建輝(国際日本文化研究センター) 討論者:王 中忱(清華大学中国文学科) 周 太平(内蒙古大学蒙古学学院蒙古歴史学部) 蘇德華力格(内蒙古大学蒙古学学院蒙古歴史学部) 【2】 北京フォーラム(パネルディスカッション) *日中同時通訳付き 総合司会:孫 建軍(北京大学日本言語文化学部) 問題提起:劉 建輝(国際日本文化研究センター) モデレーター:王 中忱(清華大学中国文学科) 討 論 者:王 京(北京大学日本言語文化学部) 劉 暁峰(清華大学歴史学科) 王 成(清華大学日本言語文学研究科) 日本語プログラム http://goo.gl/Y1gESy 中国語プログラム http://goo.gl/BxGuv2 ポスター http://goo.gl/JHLYlK (2)第8回SGRAカフェへのお誘い(再送) SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、「性別やジェンダー(「女」「男」であること等)について、考えるきっかけをつくる」ことをめざし、シンガポール出身のシム_チュンキャットさん、ノルウェー出身のデール_ソンヤさんのお二人を中心とした座談会を開催します。 準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ◆「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 日時:2015年10月24日(土)14時~17時 会場:渥美国際交流財団ホール http://www.aisf.or.jp/jp/map.php 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局([email protected]) ◇講師からのメッセージ: 日本には、女子大学というものがまだ存在しています。男女平等という話題が盛り上がっている現在において、女性しか通えない大学は要らないと思っている人は多いかもしれません。男子大学はないし、男女平等の社会だったら、性別に関わらず誰でもどのスペースでも利用できるはずでしょう。 このカフェは、性別やジェンダー(「女」「男」であること等)について、考えるきっかけにしていただけたらと思います。大学というテーマを中心に、「女」である、または「男」であることと、その社会的な妥当性について考えましょう。 女子大や、大学でジェンダーの勉強することについての発表の後、このテーマについて話し合う場をつくりたいと思っています。このカフェは講演会ではなく、ディスカッションのためのカフェです。皆さんの積極的な参加をお待ちしています! ◇講師略歴 <シム_チュンキャット Sim_ChoonKiat 沈_俊傑> シンガポール教育省・技術教育局の政策企画官などを経て、2008年東京大学教育学研究科博士課程修了、博士号(教育学)を取得。昭和女子大学人間社会学部・現代教養学科准教授。SGRA研究員。 <デール、ソンヤ Sonja_Dale> 2014年上智大学グローバル・スタディーズ研究科博士課号取得。東海大学他非常勤講師。ウォリック大学哲学部学士、オーフス大学ヨーロッパ・スタディーズ修士。2012年度渥美奨学生。 (3)第50回SGRAフォーラムin北九州へのお誘い(再送) 下記のとおり、第50回SGRAフォーラムを開催いたします。 参加ご希望の方は、SGRA事務局にご連絡ください。 ◆「青空、水、くらし――環境と女性と未来に向けて――」 日時:2015年11月14日(土)午後1時~5時 会場:北九州市立大学北方キャンパス_本館2階C-202教室 http://www.kitakyu-u.ac.jp/access/kitagata.html 参加費:フォーラム/無料、 フォーラム終了後の交流会/一般1000円、学生500円を予定 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局宛に事前にお名前、ご所属、連絡先をご連絡の上、参加申込みをしてください。 SGRA事務局([email protected] Tel: 03-3943-7612) ◇フォーラムの概要: 北九州市は大気汚染や水質汚濁など1950年代、60年代の経済成長に伴ってもたらされた深刻な公害を克服し、今日では国から「環境未来都市」に選定されるなど「世界の環境首都」を目指したまちづくりを行っています。 その礎を築いたのは、当時、子どもの健康を心配した母親たちでした。母親たちは「青空が欲しい」というスローガンを掲げ、「反対運動」や「告発」ではなく、母親たち自らの活動により、企業や行政に改善を求める運動を起こし、それが公害克服と環境再生の原点となったと同時に女性(母親)の社会参加の象徴ともなったのです。 今回のフォーラムは《青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて-》と題して、北九州市のみならず、中国、韓国などの事例をもとに、深刻化する環境問題に直面する女性や母親の意識の変化や社会参加の試みについて議論します。 ◇プログラム: 総合司会:高_偉俊(北九州市立大学国際環境工学部教授/SGRAメンバー) 13:00~14:30【事例発表】 開会の挨拶 今西淳子(渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA代表)) 近藤倫明(北九州市立大学学長) 事例発表1(日本) 「『青空がほしい』運動に学ぶ-現在に問いかけるもの-」 神﨑智子(アジア女性交流・研究フォーラム主席研究員) 事例発表2(中国) 「変わるのか、母親の意識-中国の母親の環境意識の変化と活動-」 斉藤淳子(北京在住フリージャーナリスト) 事例発表3(韓国) 「絶え間ない歩み-韓国YWCAの環境活動と女性の社会参加-」 李ユンスク(韓国YWCA運動局部長) 14:45~17:00【オープンフォーラム】 モデレーター:田村慶子(北九州市立大学法学部教授) 神﨑智子(アジア女性交流・研究フォーラム主席研究員) 斉藤淳子(北京在住フリージャーナリスト) 李ユンスク(韓国YWCA運動局部長) 小林直子(特定非営利活動法人_里山を考える会) 閉会の挨拶と第3回アジア未来会議に向けた展開_高_偉俊 17:00~18:30【交流会】 希望者のみ(会費:一般1,500円、学生500円を予定) ◇プログラムの詳細は、下記のURLをご覧ください。 http://goo.gl/mYBk0g ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第8回SGRAカフェ<参加者募集中> 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 (2015年10月24日東京) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4990/ ◇第50回SGRAフォーラム<参加者募集中> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4961/ ◇第9回SGRAチャイナ・フォーラム<参加者募集中> 「日中200年―文化史からの再検討」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/5098/ ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 発表論文の投稿は締め切りました。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Xie Zhihai “The Adults’ Role in the Relationship between Children and Smartphones”
2015年10月8日 17:15:23
******************************************************************* SGRAかわらばん589号(2015年10月8日) (1)エッセイ:謝志海「子どもとスマートフォンの関係性における大人の役割」 (2)情報提供:帰国外国人留学生短期研究制度・研究指導事業(JASSO) (3)第8回SGRAカフェへのお誘い(10月24日東京) 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 ******************************************************************* (1)SGRAエッセイ#470 ◆謝志海「子どもとスマートフォンの関係性における大人の役割」 最近の子どもに関する事件は、彼らが所持するスマートフォンが密接に関わっている。夏休み後半には、愛媛県で同級生に暴行を繰り返し、その画像をLINEで拡散した中学生が逮捕されるという事件があった。似たような事件が日々報道されているが、なかなか改善策が見出せずにいる。それは、スマートフォンと共に成長した子どもが大人になった状態を、我々がまだ見ていないからではないか。急速に変化する子どもたちのネット環境により、ネット上でのいじめや、被害者にも加害者にもなりうる犯罪が起きてしまうようになった。 おそらく小中学校の教育現場では最重要課題の一つであろう。しかし、どれだけ学校で先生が注意喚起しても、生徒たちのLINEのネット上でのコミュニティには入れない。また親が子どもに与えるスマートフォンにフィルタリング機能を搭載したとしても、写真や動画のアップロードは防げない。ひとたび画像や動画がネット上にあがって拡散されてしまったら、学校や親はおろか警察さえ完全に削除することはできないだろう。教育現場ではどのように対処しているのだろう。 所変わって、私の出身地である中国でも状況は同じで、子どもとスマートフォンの関係については社会問題になっている。スマートフォンを使ったLINEと同じようなアプリ、「微信」(WeChat)で友達同士いつもつながっていないと気が済まないネット依存症の若者が多い。もちろん大人も便利に使っている。フェイスブック、ツイッターが使えない国だが「微博」(Weibo)なるツイッターと極めて似た機能を持つミニブログ、前出の微信、チャットの「QQ」、ネット上で人とつながり、意見を交換する場はいくらでもある。こうなると中国も世界に負けないネット依存大国だ。そして子どもとスマートフォンの関係性だが、日本と同様、国が定めた法令はないが、各学校が、授業中はスマートフォンを先生に預ける等の対応をとっている。こちらも各学校や、教育機関の手腕が問われるところだ。 日本ではLINE上での仲間外れなど、LINEばかりが目立っているが、LINEに追いつけ追い越せで、次々と新しいアプリが開発されている。最近の学生の間での流行りはスマートフォンで撮った動画をアプリで編集し投稿することだそうだ。インターネットのスピードが早くなり、Wi-Fiへのアクセスが増えたことで、動画は(ファイルのサイズが)重いという問題が払拭された。 先日、青少年育成団体に所属する方々と話す機会があったが、スマートフォンの使用で懸念しているのは、LINEだけではなく、芸能人を起用して派手にテレビコマーシャルを打つオンラインゲーム。これは父兄の方までハマっていることもあり、子どもとゲームを引き離すことが難しく、とても困っているようだ。また、最近トラブルが多いのは、不用品を売る専門のアプリで、18歳以下は使えないなどの制限がかかっていないものがあることが問題だそうだ。すなわち、18歳以下の子どもがアプリを操作し物が売れたら、お金を手にすることが可能になってしまう。次々と開発され便利で楽しい機能満載のアプリ、我々大人の方がついていくのに精一杯で、子どもへどのくらい悪影響を及ぼすのかまで想定しきれていないのが現実かもしれない。 このまま放っておくわけにはいかない子どもとインターネットの関係性。まずは親が現状を知り、家での利用時間の制限などモラル作りをしてあげ、子ども自身が上手にスマートフォンと付き合えるようになるのが理想だろう。 学校側は、父兄へのお願いとして大人のスマートフォン利用、すなわち自身のスマートフォンとの関係をも省みて欲しいとお願いしているそうだ。これは我々にとっても耳の痛い話である。ただ我々はスマートフォンが無かった時代も良く知っているが、今の子どもはそうではないことが問題だ。ネット上での何気ないやりとりが人を傷つける凶器になったり、事件に巻き込まれるなどの恐ろしいものになり得ることを良く理解させ、子どもたちが自分の身は自分で守れるように導いてあげないといけない。 <謝志海(しゃ・しかい)Xie Zhihai> 共愛学園前橋国際大学専任講師。北京大学と早稲田大学のダブル・ディグリープログラムで2007年10月来日。2010年9月に早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程単位取得退学、2011年7月に北京大学の博士号(国際関係論)取得。日本国際交流基金研究フェロー、アジア開発銀行研究所リサーチ・アソシエイトを経て、2013年4月より現職。ジャパンタイムズ、朝日新聞AJWフォーラムにも論説が掲載されている。 (2)情報提供 独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)より下記の案内がありましたのでご紹介します。 ----------------------------------------------------------------------- (1)(12/10締切・必着)「平成28年度帰国外国人留学生短期研究制度」募集開始 ----------------------------------------------------------------------- 日本での留学を終え、現在、自国において教育、学術研究又は行政の分野で活躍している元留学生に、日本の大学で短期研究を行う機会を提供する制度です。 ■元留学生を招へいしたいと考えておられる先生及び日本で学んだ元留学生の皆さんにご案内ください。 【支援内容】 外国人研究者:往復渡航旅費、滞在費 (日額11,000円) 受入研究者:受入協力費(定額50,000円) 【募集要項】※募集を開始しております。 詳細はこちらをご覧ください。 http://www.jasso.go.jp/exchange/tanken.html ○帰国外国人留学生短期研究制度を活用した研究者の声○ http://www.jasso.go.jp/exchange/tanken_r_h26.html ----------------------------------------------------------------------- (2)(12/10締切・必着)「平成28年度帰国外国人留学生研究指導事業」募集開始 ----------------------------------------------------------------------- 日本の大学の教員を現地に派遣し、日本留学を終えて自国の大学等で教育、研究活動を行う元留学生の研究を指導する場を提供する制度です。 ■元留学生を訪問したいと考えておられる先生及び日本で学んだ元留学生の皆さんにご案内ください。 【支援内容】 往復渡航旅費 滞在費(現地滞在日額16,000円) 研究指導経費(上限100,000円) 【募集要項】※募集を開始しております。 詳細はこちらをご覧ください。 http://www.jasso.go.jp/exchange/shidou.html ○帰国外国人留学生研究指導事業を活用した研究者の声○ http://www.jasso.go.jp/exchange/shidou_r_h26.html (3)第8回SGRAカフェへのお誘い SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、「性別やジェンダー(『女』『男』であること等)について、考えるきっかけをつくる」ことをめざし、シンガポール出身のシム_チュンキャットさん、ノルウェー出身のデール_ソンヤさんのお二人を中心とした座談会を開催します。 準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ◆「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 日時:2015年10月24日(土)14時~17時 会場:渥美国際交流財団ホール 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局 [email protected] 講師からのメッセージ: 日本には、女子大学というものがまだ存在しています。男女平等という話題が盛り上がっている現在において、女性しか通えない大学は要らないと思っている人は多いかもしれません。男子大学はないし、男女平等の社会だったら、性別に関わらず誰でもどのスペースでも利用できるはずでしょう。 このカフェは、性別やジェンダー(「女」「男」であること等)について、考えるきっかけにしていただけたらと思います。大学というテーマを中心に、「女」である、または「男」であることと、その社会的な妥当性について考えましょう。 女子大や、大学でジェンダーの勉強することについての発表の後、このテーマについて話し合う場をつくりたいと思っています。このカフェは講演会ではなく、ディスカッションのためのカフェです。皆さんの積極的な参加をお待ちしています! -------------------------- <シム_チュンキャット Sim_ChoonKiat 沈俊傑> シンガポール教育省・技術教育局の政策企画官などを経て、2008年東京大学教育学研究科博士課程修了、博士号(教育学)を取得。昭和女子大学人間社会学部・現代教養学科准教授。SGRA研究員。 <デール、ソンヤ Sonja_Dale> 2014年上智大学グローバル・スタディーズ研究科博士課号取得。東海大学他非常勤講師。ウォリック大学哲学部学士、オーフス大学ヨーロッパ・スタディーズ修士。2012年度渥美奨学生。 ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第8回SGRAカフェ<参加者募集中> 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 (2015年10月24日東京) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4990/ ◇第50回SGRAフォーラム<参加者募集中> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4961/ ◇第9回SGRAチャイナフォーラム<ご予定ください> 「日中200年―文化史からの再検討」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 発表論文の投稿は締め切りました。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Bai Zhili “Japan Studies in East Asia as Method”
2015年10月1日 13:07:07
******************************************************** SGRAかわらばん588号(2015年10月1日) (1)エッセイ:白智立「方法としての東アジアの日本研究」 (2)図書紹介:「東アジアにおける近代知の空間の形成」 ******************************************************** (1)SGRAエッセイ#469 ◆白智立「方法としての東アジアの日本研究」 去る7月18日、東アジアの日本研究の第一線で活躍する研究者20名が一堂に会して、SGRAフォーラム「日本研究の新しいパラダイムを求めて」が開催された。このフォーラムにお招きいただき、多くの研究者との議論と交流の機会を与えていただいた渥美国際交流財団、早稲田大学東アジア国際関係研究所及び早稲田大学の皆さまに心からお礼を申し上げたい。 このフォーラムでの焦点の一つとして、「方法としての日本研究」が議論された。この「方法としての日本研究」、ことさらに「方法としての『東アジアの』日本研究」について、私の日頃の考えを、ここにエッセイとしてまとめて、このフォーラムの報告に換えさせていただきたい。 「日本研究とは何か?」。日本研究を志す研究者、とりわけ中国や韓国といった東アジアの研究者にとっては、答えることが難しい問いかけである。 私だけでなく、多くの東アジアの日本研究者は、特別な想いやきっかけによって日本研究を志している。この特別な想いやきっかけがあるが故に、単純な学術研究から離れて、日本をとおして自己を見つめ、あるいは自己を再確認、再認識するという内面的、精神的な活動に向かわざるを得ないのである。自国、自民族の歴史や発展、あるいは個人の人生経験などの「自」の要素と重ね合わせ、否応無く自国の歴史・発展過程と向かい合わざるを得ない。 つまり、東アジアの研究者にとって「日本研究」は、あたかも自己や自国の在りようを深層まで映し出す「合わせ鏡」のような、自己や自国との内的な対話の一つの方法=「方法としての日本研究」となるのである。 このような考え方は、言うまでもなく東アジアの近隣という地理的な限定、そして近代以来の歴史の複雑な展開を土台にして生まれたものである。 具体的には、日本は明治時代以降、他の東アジアに先駆けて近代化を達成し、戦争の時期を経て、戦後の平和的発展期から今日に至って、欧米諸国に並ぶ経済・社会の発展を遂げた。 この明治以降の日本の近代化の過程は、今日でもなお、身近な東アジアとの相互関係の上に成り立っている。その意味で、東アジアの日本研究は、日本研究であると同時に、東アジア研究であり東アジア諸国の「自国研究」であり、東アジアの日本研究者は無意識のうちに「方法としての日本研究」を繰り広げているのである。 「方法としての日本研究」は純粋な日本研究ではない、との危惧や批判は当然存在する。しかしながら、一人の研究者、一人の人間として日本という研究対象に向かい合い、自他混合と紙一重となるような思索の緊張を保ち続ける中で、自己の精神を磨き、自己の精神を再形成して行く過程を無価値として見過ごすことはできない。こうした思索の緊張関係と自己省察は、学術的な日本研究以上に、予期せぬ結果が得られると考えられるのである。 方法としての東アジアの日本研究の、自己の精神形成という側面を強調する時、研究者は必然的に、過去の被害者歴史と対面せざるを得ない。すなわち、東アジアの最大の課題である「歴史の和解」そのものに直面せざるを得ないのである。 和解は、謝罪による加害者側の自らの心の救済であると同時に、被害者側の心の救済とならなければならない。このリアルな課題に直面し、その解決を模索する時、方法としての東アジアの日本研究の知的蓄積と研究者個人個人の内面的省察が大きな糧となり手がかりになるのではないだろうか。 東アジアの日本研究者は、自国との相互関係性を視野に入れて思索するため、東アジアの日本研究は東アジア研究にシフトすることになる。これは言うまでもなく、東アジア全体を包み込む視点であり、その思索は、前述の歴史の和解の先の、東アジアの知の共同体、ひいては東アジア共同体へと飛躍して行く。 方法としての東アジアの日本研究は、日本の西欧近代化の所産である。依然近代化の過程にある中国にとっては、今後の自国の近代化の展開を探求する上で、いち早く近代化を達成した日本との対話を重ねて行くことが不可欠である。その意味で、「方法としての日本研究」は未だに現実味を失ってはおらず、今後の東アジア、アジア、世界を考える上で、一層その重要性を増していると言えるであろう。 さらに「資本主義の終焉」が語られる今日、すでに近代化の諸過程を歩み終え、大きな転換点にある日本には、ポスト近代の、新しい文明の創造に向けて邁進することが期待されているからである。 日本研究ないし東アジアの日本研究は、これからも重要性を失うことはないであろう。 しかし、東アジアの日本研究に緊張感を持たせ続けるためには、「方法としての日本研究」をさらに一歩進めた「方法としての東アジア研究」にいかにアプローチするか、が一つのポイントとなる。 「方法としての日本研究」を進化させた「方法としての東アジア研究」を価値あるものとして認めるならば、そして東アジアの知の共同体を指向するのであれば、これまでの無意識的な方法から意識的な方法へと昇華し、さらに精緻化し、体系化し、共有する努力がこれからの東アジアの日本研究者に求められるであろう。 <白智立(はくちりつ)Bai_Zhili> 北京大学政府管理学院副教授・北京大学日本研究センター副院長。1997年法政大学博士課程修了。政治学博士。 (2)寄贈本紹介 SGRA会員の孫建軍さんより、共著書をご寄贈いただきましたのでご紹介します。 ◆孫江、劉建輝_編「東アジアにおける近代知の空間形成」 ドイツの概念史、スキナーなどの政治思想史研究の成果を踏まえたうえで、東アジア的概念史研究、および東アジアにおける近代知のシステムの編成過程について討議を重ね、その成果の一部が本論集に収録された諸論文に反映されている。西洋・東洋、日本・中国を軸に「知の伝播」を考察、「民主」と「共和」の弁証関係、新語に対する中国の啓蒙思想家・康有為の反応、『万国公法』、中国文明の「西来説」、『共産党宣言』の翻訳、『致富新書』、清末期中国の歴史教科書編纂、日本と中国近代の知的システムの問いなおし、西周と厳復の「学知」体系の比較、清朝中期に起きた儒学の変遷について取り上げる。 出版社:東方書店 出版年:2014年03月 コード:00775_448p ISBN/ISSN 9784497214058 ◇目次 第Ⅰ部_知の編成 東アジア近代の知的システムを問いなおす[鈴木貞美] 西周と厳復――その学問観・道徳観をめぐって[高柳信夫] 乾隆・嘉慶期の学術と近代的専門学科の萌芽[張寿安] 清末西学書の編纂にみえる西洋知識の受容[章清] 第Ⅱ部_越境する知 近代知の濫觴――生成の場としての広州十三行[劉建輝] 近代中国における日本情報受容の一側面[潘光哲] 「民主」と「共和」――近代中国でデモクラシーはどのように受容されたのか[川尻文彦] 新語の政治文化史――康有為と日本の新語の関係[黄興涛] 第Ⅲ部 再生産 普遍性を立法する――十九世紀における国際法の流通[リディア・リウ] 三つの『致富新書』とその周辺――S・R・ブラウンが明六社での講演の経緯も探って[孫建軍] 黄帝はバビロンより来たり――ラクーペリ「中国文明西来説」および東アジアへの伝播[孫江] 『共産党宣言』の翻訳の問題――版本の変遷からみた訳語の先鋭化[陳力衛] 清末における国民形成のゆくえ――中国歴史教科書のいくつかの語を素材として[田中比呂志] https://www.toho-shoten.co.jp/toho-web/search/detail?id=4497214058&bookType=jp ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第4回SGRAスタディツアーin福島 「飯館村:帰還に向けて」(2015年10月2日~4日福島) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4363/ ◇第8回SGRAカフェ<参加者募集中> 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 (2015年10月24日東京) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4990/ ◇第50回SGRAフォーラム<参加者募集中> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4961/ ◇第9回SGRAチャイナフォーラム<ご予定ください> 「日中200年―文化史からの再検討」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 投稿は締め切りました。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Miyuki Ota “Telephone Booth”
2015年9月24日 12:52:27
*********************************************************** SGRAかわらばん587号(2015年9月24日) (1)エッセイ:太田美行「電話ボックス」 (2)SGRAカフェへのお誘い(10月24日東京)(再送) 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 (3)SGRAフォーラムin北九州へのお誘い(11月14日北九州) 「青空、水、くらし~環境と女性と未来に向けて~」(再送) *********************************************************** (1)SGRAエッセイ#468 ◆太田美行「電話ボックス」 近頃日々困っている。「これでいいのかニッポン」とつぶやきたくなるくらいだ。何かというと公衆電話の話である。携帯電話の普及による公衆電話の減少は著しく、平成14年度の584,162台から25年度には195,514台にまで減っている(出典:総務省『情報通信白書』)。公衆電話が減っているという事は電話ボックスも減っているはずで、ある程度はやむを得まい。しかし私は電話ボックスを減らさないでほしいと思う類の人間だ。いや、それどころか増やしてほしいとすら思っている。それは災害時や高齢者のためだけでなく、もっと現代的な理由からだ。 LINEの利用が増えたとしても電話をかける機会は明らかに増えている。それに伴い、私たちが騒音に対していっそう鈍感になったように思えてならない。街中で、建物の中で、電話はいつでもかかってくるし、またかけてもいる。「電車内での通話はご遠慮下さい」とよく聞くが、では代わりの場所は用意されているのだろうか。騒々しい駅のホームではもちろん無理だ。道の真ん中で?いや端でだってうるさくて無理だろう。街中でなくても、住宅街の道でも、危険はある。今度は静か過ぎるから辺りに話の内容が筒抜けなのだ。電話だと対面の会話と違って声が大きくなるためで、自宅にいて通行人の携帯電話の会話をうるさく感じることもしばしばだ。 では建物の中では?ビルのロビーは音がよく響く。そんな所で何かの予約や、商品の取り置き依頼をしたり(最近は美容院であろうがデパートであろうが、ほぼ確実に「ではお名前をフルネームで仰って下さい」と言われる)、自分の携帯電話の番号やクレームを言ったりはしたくないのである。周囲の人にも迷惑だ。だからといって建物の人気がない所は危険だ。このご時世、警備員が出てきたりしかねない。そもそも「関係者以外の立ち入りを禁じます」とある中にどうして入ることができよう(入ってるけど)。そんな時こそ電話ボックスは、その秘めたる価値を顕わにする。 騒音は一定程度遮られ、透明で周囲の様子もわかる電話用の個室。そこで電話をしても何ら怪しい事はない。そういう訳で私は公衆電話でなく、携帯電話で話すために電話ボックスをよく利用している。傍から見るとおかしいらしく、道行く人に笑われたこともある。しかしそれが何だというのであろう。電話のための空間で電話をする。何も間違ってはいない。笑う人たちは音のマナーに鈍感なのだ。ああ気の毒に。 昔の映画によく登場する、また今でも高級ホテルのロビーで見かける電話室。そのために電話ボックスを増やしたい。電話ボックス復活は今やマナー改善、ひいては人間尊重につながる大事な手段なのである。 <太田美行(おおた・みゆき)> 東京都出身。中央大学大学院 総合政策研究科修士課程修了。シンクタンク、日本語教育、流通、コンサルティングなどを経て2012年より渥美国際交流財団に勤務。著書に「多文化社会に向けたハードとソフトの動き」桂木隆夫(編)『ことばと共生』第8章(三元社)2003年。 (2)第8回SGRAカフェへのお誘い SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、「性別やジェンダー(「女」「男」であること等)について、考えるきっかけをつくる」ことをめざし、シンガポール出身のシム_チュンキャットさん、ノルウェー出身のデール_ソンヤさんのお二人を中心とした座談会を開催します。 準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ◆「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 日時:2015年10月24日(土)14時~17時 会場:渥美国際交流財団ホール http://www.aisf.or.jp/jp/map.php 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局([email protected]) 講師からのメッセージ: 日本には、女子大学というものがまだ存在しています。男女平等という話題が盛り上がっている現在において、女性しか通えない大学は要らないと思っている人は多いかもしれません。男子大学はないし、男女平等の社会だったら、性別に関わらず誰でもどのスペースでも利用できるはずでしょう。 このカフェは、性別やジェンダー(「女」「男」であること等)について、考えるきっかけにしていただけたらと思います。大学というテーマを中心に、「女」である、または「男」であることと、その社会的な妥当性について考えましょう。 女子大や、大学でジェンダーの勉強することについての発表の後、このテーマについて話し合う場をつくりたいと思っています。このカフェは講演会ではなく、ディスカッションのためのカフェです。皆さんの積極的な参加をお待ちしています! <シム_チュンキャット_Sim_ChoonKiat_沈_俊傑> シンガポール教育省・技術教育局の政策企画官などを経て、2008年東京大学教育学研究科博士課程修了、博士号(教育学)を取得。昭和女子大学人間社会学部・現代教養学科准教授。SGRA研究員。 <デール、ソンヤ_Sonja_Dale> 2014年上智大学グローバル・スタディーズ研究科博士課号取得。東海大学他非常勤講師。ウォリック大学哲学部学士、オーフス大学ヨーロッパ・スタディーズ修士。2012年度渥美奨学生。 (3)第50回SGRAフォーラムin北九州のご案内 下記のとおり第50回SGRAフォーラムを開催いたします。 参加ご希望の方は、SGRA事務局にご連絡ください。 ◆「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて-」 日時:2015年11月14日(土)午後1時~5時 会場:北九州市立大学北方キャンパス_本館2階C-202教室 http://www.kitakyu-u.ac.jp/access/kitagata.html 参加費:フォーラム/無料 フォーラム終了後の交流会/一般1000円、学生500円を予定 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局宛に事前にお名前、ご所属、連絡先をご連絡の上、参加申込みをしてください。 SGRA事務局([email protected]) フォーラムの概要: 北九州市は大気汚染や水質汚濁など1950年代、60年代の経済成長に伴ってもたらされた深刻な公害を克服し、今日では国から「環境未来都市」に選定されるなど「世界の環境首都」を目指したまちづくりを行っています。 その礎を築いたのは、当時、子どもの健康を心配した母親たちでした。母親たちは「青空が欲しい」というスローガンを掲げ、「反対運動」や「告発」ではなく、母親たち自らの活動により、企業や行政に改善を求める運動を起こし、それが公害克服と環境再生の原点となったと同時に女性(母親)の社会参加の象徴ともなったのです。 今回のフォーラムは《青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて-》と題して、北九州市のみならず、中国、韓国などの事例をもとに、深刻化する環境問題に直面する女性や母親の意識の変化や社会参加の試みについて議論します。 プログラム: 総合司会:高_偉俊(北九州市立大学国際環境工学部教授/SGRAメンバー) 13:00~14:30【事例発表】 開会の挨拶 今西淳子(渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA代表)) 近藤倫明(北九州市立大学学長) 事例発表1(日本) 「『青空がほしい』運動に学ぶ-現在に問いかけるもの-」 神﨑智子(アジア女性交流・研究フォーラム主席研究員) 事例発表2(中国) 「変わるのか、母親の意識-中国の母親の環境意識の変化と活動-」 斉藤淳子(北京在住フリージャーナリスト) 事例発表3(韓国) 「絶え間ない歩み-韓国YWCAの環境活動と女性の社会参加-」 李ユンスク(韓国YWCA運動局部長) 14:45~17:00 【オープンフォーラム】 モデレーター 田村慶子(北九州市立大学法学部教授) 神﨑智子(アジア女性交流・研究フォーラム主席研究員) 斉藤淳子(北京在住フリージャーナリスト) 李ユンスク(韓国YWCA運動局部長) 小林直子(特定非営利活動法人里山を考える会) 閉会の挨拶と第3回アジア未来会議に向けた展開 高_偉俊 17:00~18:30【交流会】 希望者のみ(会費:一般1,500円、学生500円を予定) ◇プログラムの詳細は、下記のURLをご覧ください。 http://goo.gl/mYBk0g ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第4回SGRAスタディツアーin福島 「飯館村:帰還に向けて」(2015年10月2日~4日福島) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4363/ ◇第8回SGRAカフェ<参加者募集中> 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 (2015年10月24日東京) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4990/ ◇第50回SGRAフォーラム<参加者募集中> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4961/ ◇第9回SGRAチャイナフォーラム<ご予定ください> 「日中200年―文化史からの再検討」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) ★☆★論文(要旨)募集中 ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄)<発表要旨募集中> 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 投稿締め切りは2015年9月20日です。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Invitaion to SGRA Cafe#8 (Tokyo) and SGRA Forum#50 (Kitakyushu)
2015年9月18日 09:42:04
***************************************************************** SGRAかわらばん586号(2015年9月17日) (1)第8回SGRAカフェへのお誘い(10月24日東京) 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 (2)第50回SGRAフォームin北九州へのお誘い(11月14日北九州) 「青空、水、くらし~環境と女性と未来に向けて~」 ***************************************************************** (1)第8回SGRAカフェへのお誘い SGRAでは、良き地球市民の実現をめざす(首都圏在住の)みなさんに気軽にお集まりいただき、講師のお話を伺う<場>として、SGRAカフェを開催しています。今回は、「性別やジェンダー(「女」「男」であること等)について、考えるきっかけをつくる」ことをめざし、シンガポール出身のシム_チュンキャットさん、ノルウェー出身のデール_ソンヤさんのお二人を中心とした座談会を開催します。 準備の都合がありますので、参加ご希望の方は、事前に、SGRA事務局へお名前、ご所属、連絡用メールアドレスをご連絡ください。 ◆「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 日時:2015年10月24日(土)14時~17時 会場:渥美国際交流財団ホール http://www.aisf.or.jp/jp/map.php 会費:無料 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局([email protected]) ◇講師からのメッセージ: 日本には、女子大学というものがまだ存在しています。男女平等という話題が盛り上がっている現在において、女性しか通えない大学は要らないと思っている人は多いかもしれません。男子大学はないし、男女平等の社会だったら、性別に関わらず誰でもどのスペースでも利用できるはずでしょう。 このカフェは、性別やジェンダー(「女」「男」であること等)について、考えるきっかけにしていただけたらと思います。大学というテーマを中心に、「女」である、または「男」であることと、その社会的な妥当性について考えましょう。 女子大や、大学でジェンダーの勉強することについての発表の後、このテーマについて話し合う場をつくりたいと思っています。このカフェは講演会ではなく、ディスカッションのためのカフェです。皆さんの積極的な参加をお待ちしています! ◇講師略歴 <シム_チュンキャット_Sim_ChoonKiat_沈_俊傑> シンガポール教育省・技術教育局の政策企画官などを経て、2008年東京大学教育学研究科博士課程修了、博士号(教育学)を取得。昭和女子大学人間社会学部・現代教養学科准教授。SGRA研究員。 <デール、ソンヤ_Sonja_Dale> 2014年上智大学グローバル・スタディーズ研究科博士課号取得。東海大学他非常勤講師。ウォリック大学哲学部学士、オーフス大学ヨーロッパ・スタディーズ修士。2012年度渥美奨学生。 (2)第50回SGRAフォーラムin北九州へのお誘い 下記のとおり、第50回SGRAフォーラムを開催いたします。 参加ご希望の方は、SGRA事務局にご連絡ください。 ◆「青空、水、くらし―環境と女性と未来に向けて―」 日時:2015年11月14日(土)午後1時~5時 会場:北九州市立大学北方キャンパス_本館2階C-202教室 http://www.kitakyu-u.ac.jp/access/kitagata.html 参加費:フォーラム/無料、 フォーラム終了後の交流会/一般1000円、学生500円を予定 お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局宛に事前にお名前、ご所属、連絡先をご連絡の上、参加申込みをしてください。 SGRA事務局([email protected]_Tel: 03-3943-7612) ◇フォーラムの概要: 北九州市は大気汚染や水質汚濁など1950年代、60年代の経済成長に伴ってもたらされた深刻な公害を克服し、今日では国から「環境未来都市」に選定されるなど「世界の環境首都」を目指したまちづくりを行っています。 その礎を築いたのは、当時、子どもの健康を心配した母親たちでした。母親たちは「青空が欲しい」というスローガンを掲げ、「反対運動」や「告発」ではなく、母親たち自らの活動により、企業や行政に改善を求める運動を起こし、それが公害克服と環境再生の原点となったと同時に女性(母親)の社会参加の象徴ともなったのです。 今回のフォーラムは《青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて-》と題して、北九州市のみならず、中国、韓国などの事例をもとに、深刻化する環境問題に直面する女性や母親の意識の変化や社会参加の試みについて議論します。 ◇プログラム: 総合司会:高_偉俊(北九州市立大学国際環境工学部教授/SGRAメンバー) 13:00~14:30【事例発表】 開会の挨拶 今西淳子(渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA代表)) 近藤倫明(北九州市立大学学長) 事例発表1(日本) 「『青空がほしい』運動に学ぶ-現在に問いかけるもの-」 神﨑_智子(アジア女性交流・研究フォーラム主席研究員) 事例発表2(中国) 「変わるのか、母親の意識-中国の母親の環境意識の変化と活動-」 斉藤_淳子(北京在住フリージャーナリスト) 事例発表3(韓国) 「絶え間ない歩み-韓国YWCAの環境活動と女性の社会参加-」 李_ユンスク(韓国YWCA運動局部長) 14:45~17:00【オープンフォーラム】 モデレーター:田村_慶子(北九州市立大学法学部教授) 神﨑_智子(アジア女性交流・研究フォーラム主席研究員) 斉藤_淳子(北京在住フリージャーナリスト) 李_ユンスク(韓国YWCA運動局部長) 小林_直子(特定非営利活動法人 里山を考える会) 閉会の挨拶と第3回アジア未来会議に向けた展開_高_偉俊 17:00~18:30【交流会】 希望者のみ(会費:一般1,500円、学生500円を予定) ◇プログラムの詳細は、下記のURLをご覧ください。 http://goo.gl/mYBk0g ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第4回SGRAスタディツアーin福島 「飯館村:帰還に向けて」(2015年10月2日~4日福島) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4363/ ◇第8回SGRAカフェ<参加者募集中> 「女子大は、要る?~『女』、『男』と大学について考えよう~」 (2015年10月24日東京) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4990/ ◇第50回SGRAフォーラム<参加者募集中> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4961/ ◇第9回SGRAチャイナフォーラム<ご予定ください> 「日中200年―文化史からの再検討」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) ★☆★論文(要旨)募集中 ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄)<発表要旨募集中> 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 投稿締め切りは2015年9月20日です。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」<発表要旨募集中> (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ● 登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ● エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ● 配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ● 皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ● SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
SGRA Forum #49 ”Charting New Paradigm of Japan Studies” Report
2015年9月10日 22:36:10
***************************************************************** SGRAかわらばん585号(2015年9月10日) (1)SGRAフォーラム「日本研究の新しいパラダイムを求めて」報告 (2)新刊紹介:鄭_淳一「九世紀の来航新羅人と日本列島」 (3)J.I.フォーラム「戦後70年_歴史記憶と歴史認識を考える」案内(再送) ***************************************************************** (1)第49回SGRAフォーラム「日本研究の新しいパラダイムを求めて」報告 2015年7月18日(土)、第49回SGRAフォーラム「日本研究の新しいパラダイムを求めて」が、早稲田大学大隈会館で開催された。フォーラムでは、中国、韓国、台湾を代表する日本研究機関と日本研究の第一線で活躍する研究者20名が一堂に会して、新しい日本研究のあり方についての活発な議論が交わされた。今回のフォーラムはセミ・オープン形式であったにも関わらず、予想を上回る延べ100人の参加者があった。 冒頭に今西淳子_渥美国際交流財団常務理事・SGRA代表から、過去2回のアジア未来会議で開催した「日本研究円卓会議」において日本研究の現状を危惧し、その将来を憂慮する声が多数挙がったことをきっかけに、中国、韓国、台湾の代表的な日本研究所と日本の国際交流基金、国際日本文化研究センターに声をかけたこと、そして、このように各研究機関の所長や副所長を始め、第一線の研究者の皆さんが参加してくださったことに主催者としても驚き、改めてこのテーマの重要性を再認識している、との開会挨拶があり、フォーラムがスタートした。 【基調講演】 平野健一郎先生(早稲田大学名誉教授、東洋文庫理事)は「新しい、アジアの日本研究に求めるもの」と題する基調講演の中で下記の2点を強調した。 (1)今回のフォーラムが目指す、国境を超える「知の公共空間」を構想するにあたっては、文化の相互依存性、共通性(普遍性)を視野に入れて、個別理解から国際間の経験・文化の相関関係により織りなされる現象として理解する「相互関係理解」へ、更には日本研究を地域、アジア、グローバルという重層構造の中に位置づけて理解しようとする「重層的理解」へと進まなければならない。 (2)これからの日本研究のテーマとして、平和と安全保障の問題を付け加えたい。戦後日本の経験を平和の問題として取り上げることは、誤った歴史の反省というだけでなく、各国にとっても重要な示唆を与えるものであろう。平和は、意思の力で築き上げて行くものである。日本研究者のみならずアジアの研究者は知的共同体を形成して行くことにより、東アジア共同体の構築、即ち平和の構築に参画することができる。 正に、「新しいアジアの日本研究」の方向性を示唆する内容であった。 【報告】 基調講演に引き続き、中国(楊伯江_中国社会科学院日本研究所副所長)、台湾(徐興慶_台湾大学日本研究センター所長)、韓国(朴喆煕_ソウル大学日本研究所長)から各国の日本研究の現状と将来に関する報告があり、日本(茶野純一_国際交流基金日本研究・知的交流部長)からは日本研究支援の現状と展望についての報告があった。 【円卓会議】 午後からの円卓会議では講演者とパネリスト計20名と会場の若手研究者を交えた、オープンディスカッションが3時間にわたって行われた。 劉_傑先生(早稲田大学社会科学総合学術院教授)による総括は以下のとおりである。 (1)文化現象として日本への関心が高まり、これまでの伝統的な枠組みでの日本研究とは異なる次元、異なる領域、異なる人脈での日本研究が広がってきている。しかし、こうした関心の広がりと「日本研究の深化」とは直接に結びつくものではない。これを、どのようにアジアで共有できる日本研究に結び付けるかは、今後の「新しい日本研究」構築にあたっての課題であろう。 (2)今、この地域にとって「方法としての日本研究」が特別に重要な時期である。日本研究のあり方は、この地域の国や人々のあり方を映し出す鏡のような意味を持つものであり、自己認識の方法とも言える。このフォーラムを通じて「方法としての日本研究」の重要性を確認することができた。 (3)「方法としての日本研究」が東アジアの和解、即ち平和に繋がることは間違いない。和解を安定化させるための重要なツールが「知」である。日本研究を一つの方法として用いることにより、知の共同空間、知の共同体が生まれ、この地域の和解、即ち平和と安定に寄与する可能性を垣間見ることができる。 (4)少なくとも、今回のフォーラムでは「アジアで共有できる日本研究」、「アジアの公共知としての日本研究」の構築を目指すというコンセンサスが得られた。 今回形成されたネットワークをどのように生かして行くか、の議論の中で朴喆煕_ソウル大学日本研究所所長から「東アジア日本研究者協議会」開催の提案があり、具体的な作業をどのように進めるのかを議論するための環境を整備し、対外的にも発信して行くこととなった。 フォーラム終了後、渥美財団ホールで渥美奨学生、ラクーン(元奨学生)を交えた懇親会が開催され、若手研究者と講師、パネリストの交流と議論が夜遅くまで続いた。 東アジアの日本研究の第一線で活躍する講師、パネリスト20名を招いての駆け足のフォーラムであったが、円卓会議のモデレーターである南基正教授(ソウル大学日本研究所研究部長/SGRA会員)の見事な司会により、短時間であっても極めて実り多いフォーラムとなった。 ご参加いただいた講師、パネリストの先生方に心から感謝すると共に、このSGRAフォーラムを契機にして形成されたネットワークの今後の飛躍に期待したい。 (文責:角田英一_渥美国際交流財団事務局長) 当日のアンケートの集計結果は下記リンクからご覧いただけます。 http://goo.gl/M602Wc 当日の写真は下記リンクからご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/?p=4952 (2)新刊紹介 SGRA会員の鄭_淳一さんよりご著書をご寄贈いただきましたので紹介します。 ◆鄭_淳一「九世紀の来航新羅人と日本列島」 九世紀おける来航新羅人に焦点を当て、朝鮮半島と日本との交流の実態を明らかにする。 国家間の外交交渉が途絶え、商人の交流が活発化していくこの時期に顕著となった不特定多数の新羅人の来航現象が、列島社会をどう変化させていったのか、あるいはそういった変化に対して日本側はどう対応したのか。対新羅政策における対外意識の変化を支配層(国家)のみならず、諸階層の人々から考察。 また、中心と周縁・境界意識といった概念に対する問題提起を行うとともに、排外思想・危機意識・警戒心等に代表される対外認識に関する新解釈を提示する。 出版社:勉誠出版 ISBN:978-4-585-22115-9_CコードC3022 刊行年月:2015年3月 判型・製本:A5判・上製 392 頁 キーワード:交流史, 古代, 平安, 日本史, 東アジア 目次、詳細は下記リンクからご覧ください。 http://goo.gl/Gfp20s (3)催事案内(再送) 渥美財団評議員の加藤秀樹さんが主宰する構想日本と下記フォーラムを共催しますのでご案内します。SGRA設立当初よりご協力いただいている2名の先生方のお話を伺います。参加ご希望の方は、構想日本事務局に直接ご連絡ください。 ◆第216回J.I.フォーラム「戦後70年歴史記憶と歴史認識を考える」 7月に続き、戦後70年シリーズの第2弾として、公益財団法人渥美国際交流財団との共催で、中国と韓国の近現代史がご専門の劉傑さん、木宮正史さんに、歴史の大きい流れやその解釈における基本的な考え方の違いなどを話して頂き、日本人がいずれにしてもずっとつきあっていかないといけない中、韓両国との相互理解を進めるための材料を提供していただきます。 日 時:平成27年9月28日(月)18:30~20:30(開場18:00) 会 場:アルカディア市ヶ谷6F「伊吹」 http://www.arcadia-jp.org/access.htm ゲスト:木宮正史(東京大学 大学院総合文化研究科・教養学部教授) 劉_傑(LIU_JIE)(早稲田大学社会科学総合学術院教授) コーディネーター:加藤秀樹(構想日本代表) 主催:構想日本、共催:(公財)渥美国際交流財団 参加費:一般_2,000円/学生_500円(構想日本会員は無料です) ※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。 懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい) ※ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。 ※フォーラムへの参加申し込みは下記リンクから、8月28日(月)12:00までにお願いします。 http://www.kosonippon.org/forum/index.php お問い合わせ:[email protected] ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第4回SGRAスタディツアーin福島 「飯館村:帰還に向けて」(2015年10月2日~4日福島) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4363/ ◇第8回SGRAカフェ<ご予定ください> 「ジェンダーについて考える必要性(仮)」 (2015年10月24日東京) ◇第50回SGRAフォーラム<ご予定ください> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) ◇第9回SGRAチャイナフォーラム<ご予定ください> 「日中200年―文化史からの再検討」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) ★☆★論文(要旨)募集中 ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 投稿締め切りは2015年9月20日です。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」 (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/sgra/entry/registration_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ ************************************************** -
Xie_Zhihai “Future of Drone”
2015年9月3日 17:43:45
************************************************************** SGRAかわらばん584号(2015年9月3日) (1)アジア未来会議:発表要旨の総投稿数733件! (2)エッセイ:謝志海「ドローンの行く末」 (3)催事案内:JIフォーラムへのお誘い(2015年9月28日) 「戦後70年_歴史記憶と歴史認識を考える」 (4)新刊紹介:ブレンサイン(編著)「内モンゴルを知るための60章」 ************************************************************** (1)第3回アジア未来会議の発表要旨投稿状況 第3回アジア未来会議(2016年10月に北九州市で開催)の、奨学金と優秀論文賞の対象となる論文の発表要旨の募集は、2015年8月31日をもちまして締め切りました。総投稿数733件!!!たくさんの応募をありがとうございました。 応募数の詳細は、下記リンクをご覧ください。 http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/news/news-ja/登録・投稿状況のお知らせ/ 一般応募の論文発表要旨の投稿は、2016年2月28日まで受け付けます。 (2)SGRAエッセイ#467 ◆謝_志海「ドローンの行く末」 このところ、世界情勢の様々な事が深刻で、目が離せない。ギリシャ経済危機、テロ組織ISをはじめアジアでは中国の株価暴落、日本は集団的自衛権をめぐる安保法案についてなど。どれもが先の見通しが予見しづらい上に、明日には状況が大きく変わっているかもしれないと思うと、朝、起きてから一日中ニュースを追う事になる日々だ。そしてつくづく感じるのは国際関係、経済、政治、外交など、全てが繋がっているということ。自分の専門分野を超えて研究と分析をし続けなければいけない。 そんな変わりゆく世界情勢を追いかけ整理するのに忙しいさなか、興味深い記事を拾い読みした。ニューズウィーク日本版7月14日号の半ページほどの小さな記事「ドローンが目障りでも撃ち落としちゃダメ」。アメリカでドローンを飛ばしていた人、それを銃で撃ち落とした人の話だ。小型ドローンの普及はおどろくほど速く、それに伴う法整備が追いつかないという。この記事でも自分の実家(米カリフォルニア州)で小型ドローンを飛ばしていたら、隣人にそのドローンを銃で撃たれ墜落したというエピソードから始まる。撃ち落とした人はCIAの監視用ドローンだと思ったのだそうだ。これは訴訟問題に発展し、ドローンを飛ばした人はどうにか損害賠償を勝ち取ったそうだ。 自分の家の上空にドローンが飛来していたら?そのようなことはつい最近まで考える必要はなかったはず。日本の首相官邸の屋根にもドローンが着地していた事件が話題になったことにより、日本でも自分の家の窓を開けたらドローンがいたらどうしよう、と一瞬ではあっても意識する生活がはじまった。そう、これはもうアメリカ上空だけの懸念ではない。前出の記事では、ドローンが他人の敷地を飛行するのは不法侵入に当たるのかどうかについて、この解釈は曖昧になるであろうと懸念している。確かに家と家の間には垣根などの境界があるが、上空何メートルまでを境界とし、どこからを違法とするのかとなると難しい。個別の事例に対処していく課程で法整備は進むだろうとしているが、事例が起こってからではなく、早急に法整備した方が良いのではないかという別のドローンのニュースが飛び込んできた。 このニューズウィークの記事に前後して、なんと銃を発砲するドローンが浮遊している映像がユーチューブ(YouTube)にアップされたというのだ。テレビのニュースによると、そのようなドローンを飛ばしたのはアメリカのまだ10代の大学生だそうだ。利便性や人を危険から守る為に作られたはずのドローンがあらぬ方向へ動き出している。皮肉にも、法整備もままならないうちに世界中に飛び交ってしまっているドローンは、あたかも空に国境はないのだよと言っているようだ。 研究の合間に読んだこのドローンの記事は、まるで私に自分の専門分野だけにとどまらず、常に広い視野を持って研究をしなさいと示唆しているようだ。そして私はこれからドローンの行く末も見守り続けなければならない。 <謝_志海(しゃ しかい)Xie_Zhihai> 共愛学園前橋国際大学専任講師。北京大学と早稲田大学のダブル・ディグリープログラムで2007年10月来日。2010年9月に早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程単位取得退学、2011年7月に北京大学の博士号(国際関係論)取得。日本国際交流基金研究フェロー、アジア開発銀行研究所リサーチ・アソシエイトを経て、2013年4月より現職。ジャパンタイムズ、朝日新聞AJWフォーラムにも論説が掲載されている。 (3)催事案内 ◆第216回J.I.フォーラム「戦後70年_歴史記憶と歴史認識を考える」 7月に続き、戦後70年シリーズの第2弾として、公益財団法人渥美国際交流財団との共催で、中国と韓国の近現代史がご専門の劉傑さん、木宮正史さんに、歴史の大きい流れやその解釈における基本的な考え方の違いなどを話して頂き、日本人がいずれにしてもずっとつきあっていかないといけない中、韓両国との相互理解を進めるための材料を提供していただきます。 日 時:平成27年9月28日(月)18:30~20:30(開場18:00) 会 場:アルカディア市ヶ谷 6F 伊吹 http://www.arcadia-jp.org/access.htm ゲスト:木宮正史(東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授) 劉_傑(LIU_JIE)(早稲田大学社会科学総合学術院教授) コーディネーター:加藤秀樹(構想日本代表) 主催:構想日本、共催:(公財)渥美国際交流財団 参加費:一般 2,000円 / 学生 500円 (構想日本会員は無料です) ※学生の方は受付にて学生証をご提示ください。 懇親会参加費:4,000円(ご希望の方は懇親会参加とお申込み時に明記して下さい) ※ゲストを囲んで、懇親会を開催いたします。 ※フォーラムへの参加お申し込みは、下記Lyncより8月28日(月)12:00までにお願いします。 http://www.kosonippon.org/forum/index.php メール受付:[email protected] (4)新刊紹介 SGRA会員のボルジギン・ブレンサインさんから新刊本をご寄贈いただきましたので、ご紹介します。ブレンサインさんの他、SGRA会員のネメフジャルガルさん、包聯群さん、ボルジギン・フスレさんも執筆していらっしゃいます。 ◆「内モンゴルを知るための60章」 ボルジギン・ブレンサイン(編著)、赤坂恒明(編集協力) ISBN 9784750342238 判型・ページ数 4-6・432ページ 出版年月日 2015/07/31 出版社 明石書店 戦前、日本にとってモンゴルと言えば、内モンゴルのことを指していた。戦前戦中にかけて深い交誼を結んだが、戦後中華人民共和国の成立以後、両国の繋がりは一時途絶えた。本書は知られざる内モンゴルの苦難に満ちた成り立ちといまを多面的に紹介する。 目次は下記リンクをご覧ください。 http://www.akashi.co.jp/book/b208189.html ************************************************** ★☆★SGRAカレンダー ◇第4回SGRAスタディツアーin福島 「飯館村:帰還に向けて」(2015年10月2日~4日福島) http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/2015/4363/ ◇第8回SGRAカフェ<ご予定ください> 「ジェンダーについて考える必要性(仮)」 (2015年10月24日東京) ◇第50回SGRAフォーラム<ご予定ください> 「青空、水、くらし-環境と女性と未来に向けて」 (2015年11月14日北九州市) ◇第9回SGRAチャイナフォーラム<ご予定ください> 「日中200年―支え合う近代(仮)」 (2015年11月20日フフホト、22日北京) ★☆★論文(要旨)募集中 ◇第6回日台アジア未来フォーラム(2016年5月21日高雄) 「東アジアにおける知の交流―越境・記憶・共生―」 http://www.aisf.or.jp/sgra/combination/taiwan/2015/4439/ 投稿締め切りは2015年9月20日です。 ◇第3回アジア未来会議「環境と共生」 (2016年9月29日~10月3日、北九州市) http://www.aisf.or.jp/AFC/2016/ 一般の論文・小論文・ポスター(要旨)の投稿締め切りは2016年2月28日です。 ☆アジア未来会議は、日本で学んだ人や日本に関心がある人が集い、アジアの未来について語る<場>を提供します。 ●「SGRAかわらばん」は、SGRAフォーラム等のお知らせと、世界各地からのSGRA会員のエッセイを、毎週木曜日に電子メールで配信しています。どなたにも無料でご購読いただけますので、是非お友達にもご紹介ください。 ●登録および配信解除は下記リンクからお願いします。 http://www.aisf.or.jp/mailmaga/entry/mailing_form/ ●エッセイの転載は歓迎ですが、ご一報いただければ幸いです。 ●配信されたエッセイへのご質問やご意見は、SGRA事務局にお送りください。事務局より著者へ転送します。 ●皆様のエッセイを募集しています。SGRA事務局へご連絡ください。 ●SGRAエッセイやSGRAレポートのバックナンバーはSGRAホームページでご覧いただけます。 http://www.aisf.or.jp/sgra/date/2015/?cat=11 関口グローバル研究会(SGRA:セグラ)事務局 〒112-0014 東京都文京区関口3-5-8 渥美国際交流財団事務局内 電話:03-3943-7612 FAX:03-3943-1512 Email: [email protected] Homepage: http://www.aisf.or.jp/sgra/ **************************************************