SGRAメールマガジン バックナンバー

Invitation to the 21st Japan-Korea Future Forum “Emerging Risk and Emerging Security”

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SGRAかわらばん962号(2023年3月23日)

【1】第21回日韓アジア未来フォーラムへのお誘い(4月22日、オンライン)
「新たな脅威・新たな安全保障―これからの政策への挑戦―」

【2】国史対話エッセイ紹介:塩出浩之「歴史と私 ―なぜ歴史研究者になったか」

【3】第37回共有型成長セミナー@東京へのお誘い(4月10日、ハイブリッド)
「東アジアダイナミクス―東アジアの地域化と地方分権化―」(再送)
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【1】第21回日韓アジア未来フォーラム「新たな脅威・新たな安全保障」へのお誘い

下記の通り第21回日韓アジア未来フォーラムをオンラインで開催いたします。参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。一般聴講者はカメラもマイクもオフのウェビナー形式で開催しますので、お気軽にご参加ください。

テーマ:「新たな脅威(エマージングリスク)・新たな安全保障(エマージングセキュリティ)―これからの政策への挑戦―」
日 時:2023年4月22日(土)14:00~17:00
方 法:Zoomウェビナー
言 語:日本語・韓国語(同時通訳)
参加費:無料
問合せ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)
参加登録:下記よりお申し込みください
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_JD7WveroRJKymQHj9K-CIA

主催:第21回日韓アジア未来フォーラム実行委員会
共催:公益財団法人渥美国際交流財団関口グローバル研究会/財団法人未来人力研究院(韓国)

◇趣旨
冷戦後の国際関係において非軍事的要素の重要性を背景にグローバルな経済対立、貧富格差の拡大、そして気候変動、先端技術の侵害、サイバー攻撃、パンデミックなどが新しい安全保障の範疇に含まれるようになってきた。伝統的な安全保障問題が地理的に近接した国家間で発生する事案抑止を前提とするのに対して、新たな安全保障上のリスクは突発的に発生し、急速に拡大し、さらにグローバルネットワークを通じて国境を超える。多岐にわたり複雑に絡み合う新しい安全保障のパラダイムを的確に捉えるためには、より精緻で包括的な分析やアプローチが必要なのではないだろうか。
フォーラムでは、韓国における「エマージング・セキュリティー(新たな安全保障)」研究と日本における「経済安全保障」研究を事例として取り上げ、今日の安全保障論と政策開発の新たな争点と課題について考察する。

◇プログラム
総合司会 金雄熙(韓国仁荷大学教授)

【第1セッション 基調講演】14:00~15:05

◆講演1 金湘培(ソウル大学政治外交学部教授)
「エマージング・セキュリティー、新たな安全保障パラダイムの浮上」

現代ではパンデミック、気候変動、大規模自然災害、サイバーセキュリティー、新技術、人口・移民・難民の危機などのこれまでとは質的に異なるグローバルな課題が安全保障上の脅威として拡大している。本講演では、こうした脅威に対応する方策としての「エマージング・セキュリティー(emerging_security 新たな安全保障)」をテーマとする。これまでも脱冷戦(Post-Cold_War)を背景に新しい安全保障のパラダイムを理論化しようとする試みがなかったわけではない。9・11同時多発テロ以降の脱近代(post-modern)安保秩序への変換と、2020年代の人間中心の安保秩序からコンピューターが人類の知性を超えるポスト・ヒューマン(post-human)秩序への変換を視野に入れてきたが、現代の安全保障問題を扱うには不十分な点が多い。パンデミックやサイバー攻撃のような脅威が突発的に発生し、急速に拡大してマクロリスクとして現れ、そして、グローバル化・ネットワーク化を通じて国境を超えるのがエマージング・セキュリティーの特徴である。こうしたエマージング・セキュリティー研究は、既存の「非伝統的安全保障(non-traditional_security)」または「新安全保障(new_security)」などの概念を超えるより積極的で新しい安全保障パラダイムの浮上として捉えることができ、国家単位で政治・軍事的安全保障を強調した従来の伝統的安全保障パラダイムを越えようとする概念的な試みなのである。

◆講演2 鈴木一人(東京大学公共政策大学院教授)
「日本における経済安全保障をめぐる議論」

第二次大戦後の世界秩序の基本には、政治と経済が分離し、政治は経済に介入しないという自由市場経済、自由貿易があった。こうした自由貿易の原則は資源の乏しい日本においてその経済成長を可能にする重要な役割を果たしたが、近年はその状況が変わっている。米中対立による政治的目的の手段としての経済、武器としての相互依存が一般化する中で、経済を使った国家間対立と、経済的強制が新たな脅威となっている。こうした脅威を管理するために、国際競争力、経済的・技術的優位性の確保が最優先課題となり、一方では研究開発を促進し、他方では技術管理、輸出管理の強化が進んでいる。日本におけるその現状を報告する。

【第2セッション コメント】15:15~15:55
・李元徳(国民大学校社会科学大学教授)
・西野純也(慶應義塾大学法学部政治学科教授・オンライン)
・林恩廷(公州大学国際学部副教授)
・金崇培(国立釜慶大学人文社会科学部助教授)

【第3セッション 自由討論/質疑応答】15:55~16:45
モデレータ 金雄熙

【総括・閉会挨拶】16:45~17:00
平川均(名古屋大学名誉教授/渥美国際交流財団理事)

※プログラムの詳細は、下記リンクをご参照ください。
プロジェクト概要
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2023/03/JKAFF21ProgramJ.pdf
ポスター
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2023/03/JKAFF21JF_LITE.jpg
韓国語版ウェブサイト

새로운 위협(이머징 리스크)·새로운 안전보장(이머징 시큐리티)-향후 정책에 대한 도전-

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【2】国史対話エッセイのご紹介

2月22日に配信した国史対話メールマガジン第47号のエッセイをご紹介します。

◆塩出浩之「歴史と私 ―なぜ歴史研究者になったか」

子どものころに触れた「歴史」といえば、世界の偉人の伝記全集や日本史の読み物全集を愛読していたことを思い出す。しかし、これらは私が歴史学者となったきっかけではない。ロボットアニメや特撮の変身ヒーローなどに夢中だった当時、私の夢は「科学者になってロボットを作ること」だった。日本史の読み物全集の中で特に記憶に残っているのは戦国大名を扱った巻であり、物語として楽しんでいただけだったように思う。
ところが、中学生になった私は化学を苦手科目とするようになり、さらに高校生になってからは物理で赤点を取った。こうして私はロボット開発の夢をすっぱり諦め、進路をいわゆる「文系」へと絞った。
一方、高校で日本史を学ぶ中で、授業で先生が語る近現代史に疑問を持つようになった。明治維新後、人々が政府に対して国会の開設を求めた自由民権運動は、近代日本の輝かしい側面として語られる。ところがその直後、日本は日清戦争に突入し、アジアへの侵略によって近代日本の評価は暗転する。
私が不思議に思ったのは、日清戦争の時点では既に国会(帝国議会)が開設されており、日清戦争が国会の全面的な支持をうけて戦われたことである。なぜなら、国会開設を望んだのは自由民権運動に参加した人々であり、その中には国会議員になった人々も多かったからである。なぜ近代日本の輝かしい側面を代表する自由民権運動に参加した人々が、近代日本の暗転につながる日清戦争に賛成したのだろうか。

続きは下記リンクよりお読みください。
https://www.aisf.or.jp/sgra/kokushi/J_Kokushi2023ShiodeEssay.pdf

※SGRAでは2016年から「日本・中国・韓国における国史たちの対話の可能性」円卓会議を続けていますが、関係者によるエッセイを日本語、中国語、韓国語の3言語で同時に配信するメールマガジンを開始しました。国史メルマガは毎月1回配信しています。SGRAかわらばんとは別にお送りしますので、ご興味のある方は下記より登録してください。3言語対応ですので、中国語、韓国語の方々にもご宣伝いただけますと幸いです。

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【3】第37回共有型セミナー@東京「東アジアダイナミクス」へのお誘い(再送)

第37回共有型セミナーをハイブリッド形式で開催いたします。参加ご希望の方は事前登録をお願いします。

テーマ:「東アジアダイナミクス」
日 時:2023年4月10日(月)午前10時~午後1時(日本時間)
会 場:渥美国際交流財団ホール(東京都文京区)
方 法:会場参加およびオンライン(Zoom_Meeting)
会 費:無料

参加申込:https://tinyurl.com/KKK37
※登録していただいた方に参加用リンクをお送りします。

問い合せ:SGRA事務局 [email protected]

主催:公益財団法人渥美国際交流財団(AISF)関口グローバル研究会(SGRA)
共催:フィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)公共政策開発大学院(CPAf)
共催:一般社団法人東北亞未来構想研究所(INAF)

◇趣旨
日本を含む東アジア8カ国が実現した高度成長を研究する世界銀行の「東アジアの奇跡レポート」(1993)は、あらゆる意味で論争の的になったが、特記すべきは「成長と公平」というテーマに注目したことだ。このテーマは、トマ・ピケティの「21世紀の資本」(2014)やJ.E.スティグリッツの「世界の99%を貧困にする経済」(2013)であらためて人気を集めている。この議論から刺激を受けた本セミナーシリーズの総合テーマは「共有型成長」(SHARED GROWTH)で、富の分配と経済成長が同時に進むことを目指す。
しかしながら、今回のセミナーでは「東アジアの奇跡レポート」にはカバーされていない側面、国際的な「地域化」(東アジア地域化)と「地方分権化」をとりあげ、東アジアの経済発展ダイナミックスを「共有型成長」の観点からより深く理解することを目的とする。「地域化」の議論では、日本の研究者・赤松愛が1930年に発想するに至った「雁行形態論」の積極的側面に目を向ける。雁行形態論は1980年代に東アジアの目覚ましい経済発展の説明理論として再注目されたが、それから50年たった現在、この地域のさらなる発展を鑑みて赤松理論の意義について再検討を行う。東アジアで1990年代に起こったもう一つの流れが「地方分権化」である。経済成長はそれを支える社会によって支えられる。地方の成長が国の成長を支え、広げるメカニズムとしても考えられる。

◇プログラム
【第1部】問題提起

◆平川均(INAF理事長、渥美財団理事、名古屋大学)
「東アジアの地域化」
本報告では、広義の意味での東アジア(東南アジアと東北アジア)における地域主義、地域協力、地域統合、その制度化を示す包括的概念として「地域化」を用いる。地域主義は2つの起源があった。ひとつは、北東アジア(主に日本)、もうひとつは東南アジアである。両者を起源とする地域主義はアジア通貨危機以前には併存し、以後はASEAN+3フレームワークの誕生によって、重層的な制度化と経済統合に道を開いた。ただし、今日、主要国の主導権争いを通じた経済統合がその推進力になっており、新たな課題に直面している。本報告では、過去1世紀を超える東アジアの地域化を概観し、今日的課題への教訓をくみ取ることを目指す。

◆マックス・マキト(CPAf/UPLB、SGRA/AISF)
「東アジアにおける地方分権化」
東アジアのダイナミクスを定義する一つの力として「国内の地方分権化」に注目し、地方分権化が「国際の地域化」の代替または補完であるかを議論する。「国内の地方分権化」と「国際の地域化」の2つの力が相互に補完し合うことができる二つの条件がある。最初の条件は、国家の適切な権限付与で、国家は相反する二つの力の渦に巻き込まれながらも、そこに適切な均衡を見つけなければならない。2番目の条件は、相互に影響し合う可能性のある二つの力に共通の原則の存在で、その一つが「共有型成長」である。

【第2部】討論
・ダムセル・コルテス(CPAf/UPLB)
・李鋼哲(INAF、SGRA/AISF)
・ジャクファル・イドラス(国士舘大学、SGRA/AISF)

詳細は下記リンクをご覧ください。
日本語版プログラム
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2023/03/KKK37-Program_J.pdf
英語版ウェブページ

Sustainable Shared Growth Seminar #37 (KKK 37) – East Asia Dynamics –


ポスター
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2023/03/KKK37FlyerF.png

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★☆★お知らせ
◇「国史たちの対話の可能性」メールマガジン(日中韓3言語対応)
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