SGRAメールマガジン バックナンバー
Xie Zhihai “How to Deal with New Year’s Resolution”
2017年2月2日 12:03:25
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SGRAかわらばん658号(2017年2月2日)
【1】エッセイ:謝志海「新年の抱負との付き合い方」
【2】日比共有型成長セミナーへのお誘い(2月13日フィリピン・ロスバニョス)
【3】SGRAフォーラム「人を幸せにするロボット」へのお誘い(2月11日東京)(再送)
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【1】SGRAエッセイ#520
◆謝志海「新年の抱負との付き合い方」
新年早々、日本人から面白い質問をされた。「中国には新年の抱負ってあるの?(もしあれば)それは新年、それとも春節どちらに目標を立てるの?」とても日本人らしい質問だと思った。というのは中国では新年の抱負というものが一般的ではないからだ。誰も全くしないとは言わないが、年明けや春節に挨拶代わりのように「今年の抱負は?」と聞き合うことはない。
日本では正月を迎える前から「来年の抱負は?」という質問が飛び交っている。テレビを観ていても、芸能人だけでなく、政治家までもがこの質問をされている。また聞かれた側も普通に回答している。新年を新たな区切り、スタート地点として捉え目標設定することはとても良いことだと思い、とても興味深い。
では年の瀬、どのくらいの人が年初にたてた目標を達成できているのだろう。私に質問をしてきた日本人に「年末には今年の抱負をどのくらい達成できたか聞きあったりするの?」と聞いてみた。相手は「うーん、ないかなあ」と言葉に詰まってしまった。「その時期は師走でそれどころじゃないんじゃない。」というのが答えだった。そうか、日本では掲げた目標の達成度をレビューする機会があまりないのかもしれない。年末年始には抱負は?抱負は?とどこでも話題になるのに抱負を振り返るチャンスはシェアされていない。これもまた興味深いことである。
調べてみると、「新年の抱負に掲げるのは何か」というランキングは出てきたが、結果や、達成度についてのデータは出てこなかった。代わりにアメリカでの調査結果があった。アメリカのスクラントン大学の「新年の抱負」についての調査によると、2016年に立てた新年の抱負を達成出来たと感じられた人はたったの9.2%。日本で調査しても、案外似たようなものかもしれない。マクロミル社が2016年1月に日本で行った調査によると、過去に新年の抱負を立てたことがある人に挫折したことがあるかと聞いたところ、「挫折したことがある」と答えた人が87.6%と9割近い数になっている。目標を掲げることは簡単でもそれを実行するのは難しいということか。
日本の書店に行くとビジネス書のセクションには目標の実行の仕方、夢の叶え方等の自己啓発本がたくさん並んでいる。ということは日本人はやはり目標を掲げ、達成する為に日々奔走しているのではないだろうか。しかも海外からの自己啓発たぐいの本も日本語に翻訳され同じくビジネス書のコーナーにたくさん並んでいる。海外のメソッドまで取り入れようとしているのか、と感心する。
例えば、米国スタンフォード大学の心理学者、ケリー・マクゴニガル教授の著書「スタンフォードの自分を変える教室」では実践的で誰もがすぐに取り入れやすいように、目標達成へのステップを指南している。この教授の専門は健康心理学で、目標を叶えるプロなどではないのだが、彼女がよく提案するのは、大雑把に言うと自己分析や自分を振り返る時間が大切だということ。ということは目標を立てるだけではダメで随所に振り返りの作業を取り込むべきなのだろう。自己分析、すなわち自分を客観的に見ることは、難しいけれど目標を叶えるためには不可避なのだろうと感じさせられる。
日本には新年に抱負を掲げるチャンスがあり、それを実行する為の指南書も溢れている。日本に住んでいる私はこれらを活用しなくてはと思い始めた。新年の抱負としてではないが、私が立てた目標は実は数年前からずっと同じだ。ということは大多数の、新年の抱負を達成できていない人、挫折した人と同じになっている。年内に必ず自身の目標に対して振り返る機会を作ろうと思う。自己分析が上手になれば目標達成への近道となるはず。まずはそれが私の今年の抱負だ。
<謝志海(しゃ・しかい)Xie_Zhihai>
共愛学園前橋国際大学専任講師。北京大学と早稲田大学のダブル・ディグリープログラムで2007年10月来日。2010年9月に早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程単位取得退学、2011年7月に北京大学の博士号(国際関係論)取得。日本国際交流基金研究フェロー、アジア開発銀行研究所リサーチ・アソシエイトを経て、2013年4月より現職。ジャパンタイムズ、朝日新聞AJWフォーラムにも論説が掲載されている。
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【2】日比共有型成長セミナー「地方分権と持続可能な共有型成長」へのお誘い
下記の通り第22回日比共有型成長セミナーをフィリピンのラグナ州ロスバニョス市で開催します。参加ご希望の方は、SGRAフィリピンに事前に申し込んでください。
◆テーマ:「地方分権と持続可能な共有型成長」
日 時:2017年2月13日(月)9:30~15:30
会 場:フィリピン大学ロスバニョス校(UPLB)公共政策と開発学部
言 語:英語
申込み・問合せ:SGRAフィリピン ( [email protected] )
●セミナーの趣旨
SGRAフィリピンが開催する22回目の持続可能な共有型成長セミナー。
第二次世界大戦後フィリピンは東南アジアでトップの発展を遂げていたのに、残念ながら今では同級生に遅れをとってしまっている。フィリピンの持続可能な共有型成長を妨げる3つの問題は、鈍い成長、格差、環境である。一方、戦後の開発の大半は、首都に集中する経済や政治的決断に依存していたが、この20年間には地方分権を目指す様々な努力が行われている。この努力を「持続可能な共有型成長」という観点から理解し、地方分権によって上述の問題が解決できるか検討するのが今回のセミナーの基本的な目的である。
●プログラム
09:00-09:30 登録
司会:メルリン・M・パウンァラギ(Dr._Merlyne_M._Paunlagui)、
ロウェナ・DT・バコンギス(Dr._Rowena_DT_Baconguis)
09:30-10:00 開会挨拶
ヴィルジニア・カルデナス(Dean_Virginia_Cardenas)UPLB公共政策と開発学部学部長
今西淳子(Ms._Junko_Imanishi)渥美国際交流財団関口グローバル研究会代表
10:00-11:00 発表1「連邦制と地方自治」
ダニ・レイエス(Dr._Danny_Reyes)UPLB行政ガバナンス学部教授
11:00-11:30 発表2「再建と復興の戦略の再検討:ジョージスムからの観点」
ジョッフレ・バルセ(Mr._Joffre_Balce)良き政府協会研究員
11:30-12:00 発表3「フィリピン農業の現状」
エリセオ・ポンセ(Dr._Eliseo_Ponce)国際コンサルタント、ヴィサヤス大学名誉教授
12:00-13:00 ランチ休憩
13:00-15:00 円卓会議
モデレーター:マックス・マキト(Dr._Max_Maquito)SGRAフィリピン代表
15:00-15:30 ミリエンダ休憩
セミナー終了後 UPLBキャンパス見学
※詳細は下記リンクをご覧ください。
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【3】第56回SGRAフォーラム「人を幸せにするロボット」へのお誘い(再送)
下記の通りSGRAフォーラムを開催いたします。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。
◇テーマ:「人を幸せにするロボット(人とロボットの共生社会をめざして第2回)」
日 時:2017年2月11日(土・休)午後1時30分~4時30分
会 場:東京国際フォーラムガラス棟 G501号室
参加費:フォーラムは無料 懇親会は賛助会員・学生1000円、メール会員・一般2000円
お問い合わせ・参加申込み:SGRA事務局([email protected], 03-3943-7612)
◇フォーラムの趣旨
近年、ニュースや様々なイベントなどで人型ロボットを見かける機会も多くなってきました。今、私たちの日々の生活をサポートしてくれる「より人間らしいロボット ヒューマノイド」の開発が急ピッチに進んでいます。
一方で、私たちの日常生活の中では、既に多種多様なロボットが入り込んでいる、といわれています。例えば「お掃除ロボット」、「全自動洗濯機」、「自動運転自動車」などなど。ロボット研究者によれば、これらもロボットなのだそうです。では、ロボットとは何なのでしょうか?
そして、未来に向けて「こころを持ったロボット」の開発がA.I.(Artificial Intelligence)の研究をベースに進められています。「こころを持ったロボット」は可能なのでしょうか?「ロボットのこころ」とは何なのでしょうか?この問題を突き詰めて行くと、「こころ」とは何か?という哲学の永遠の命題に行きあたります。
今回のフォーラムでは、第一線で活躍中のロボット研究者と気鋭の哲学者が、人を幸せにするロボットとは何か?人とロボットが共生する社会とは?など、皆さまの興味や疑問にわかり易くお答えします。
◇プログラム
【基調講演】「夢を目指す若者が集う大学とロボット研究開発の取り組み」
稲葉雅幸(Masayuki_Inaba)東京大学大学院情報理工学系研究科創造情報学専攻教授
ロボットの研究開発は数十年の歴史があり、工場内から社会生活のさまざまな分野への活躍が期待されています。ロボットで社会貢献の夢を抱く若者が集い、社会へ飛び立ってゆく大学におけるロボット研究開発の取り組みについてご紹介します。
【プレゼンテーション1】「ロボットが描く未来」
李周浩(Joo-Ho_Lee)立命館大学情報理工学部情報コミュニケーション学科教授
SF映画、SF小説、SF漫画、未来の社会を描く物語には必ずと言っても過言ではないくらいロボットが出てきます。本講演では予測可能な未来を実現させる技術としてのロボットについて、また、そのロボットが現在の社会に与える影響に関する内容を中心に話題を提供します。
【プレゼンテーション2】「ロボットの心、人間の心」
文景楠(Kyungnam_Moon)東京大学教養学部助教(哲学)
ロボットは人間のような心をもつことができるのでしょうか。それ以前に、心を「もつ」や「もたない」といったことはそもそも何を意味しているのでしょうか。私のプレゼンテーションでは、こういった問題を哲学的な観点から一緒に考えます。
【プレゼンテーション3】「(絵でわかる)ロボットのしくみ」
瀬戸文美(Fumi_Seto)物書きエンジニア
「絵でわかるロボットのしくみ」はロボット工学へのはじめの一歩を踏み出すためのガイドブックとして、数式や専門用語を用いずに分野全体の俯瞰を行うことを目的とした書籍です。この本ができるまでの紆余曲折をお話しし、ロボットや科学技術を身近なものとするにはどうしたらよいか、皆さんと考えたいと思います。
【フリーディスカッション】-フロアとの質疑応答-
〇プログラムは下記リンクをご覧ください。
http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2016/12/SGRA_Forum_56_Program_rev.pdf
〇ポスターは下記リンクよりダウンロードしていただけます。
http://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2016/12/59thSGRAforumposterlight.pdf
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★☆★SGRAカレンダー
◇第56回SGRAフォーラム(2月11日東京)
「人を幸せにするロボット」<参加者募集中>
◇第22回日比共有型成長セミナー(2月13日フィリピン・ロスバニョス)
「地方分権と持続可能な共有型成長」(言語は英語)<参加者募集中>
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