SGRAメールマガジン バックナンバー

[SGRA_Kawaraban] Invitation to SGRA Forum #46 (resend)

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SGRAかわらばん502号(2014年1月15日)
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本年最初のSGRAかわらばんをお届けします。
本号より配信システムを改善しました。
重複配信など不具合が生じましたら、[email protected] へご連絡ください。
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■第46回SGRAフォーラムへのお誘い(再送)

下記の通りSGRAフォーラムを開催します。参加ご希望の方は、事前にお名前・ご所
属・緊急連絡先をSGRA事務局宛ご連絡ください。SGRAフォーラムはどなたにもご参加
いただけますので、関心をお持ちの方をお誘いいただきますようお願いいたします。
また、皆様が所属されるメーリングリストなどで広報していただけますと幸いです。

テーマ:「インクルーシブ教育:子どもの多様なニーズにどう応えるか」

日時:2014年1月25日(土)午後1時30分〜4時30分、その後懇親会

会場:東京国際フォーラム ガラス棟 G610号室
   http://www.t-i-forum.co.jp/general/access/

参加費:フォーラムは無料 懇親会は正会員1000円、メール会員・一般2000円

参加申込み・お問い合わせ:SGRA事務局([email protected], 03-3943-7612)

◇フォーラムの趣旨

インクルーシブ教育(inclusive education)は、障碍児教育に関する施策のひとつで
あるが、同時に、社会的・経済的格差、民族・人種・文化・宗教等の差異がもたらす
差別の軽減・解消をめざし、不利益な立場にある人々の自立および社会への完全参加
を、教育・学校の改革によって実現しようとする教育・社会理念とも捉えられる。

日本では、障碍のある子どもに特別支援学校だけではなく多様な学びの場を提供する
施策が試みられてきた。その他の特別なニーズを持つ子ども、例えば当初は数年しか
日本に滞在しない予定だった外国籍労働者の子どもたち、家庭や経済的事情により学
業に困難を伴う子どもたち等は、対応されなかったわけではないが、教育のメインス
トリームの周辺課題とされてきた。グローバル化によりますます増加する子どもの多
様なニーズに応えるためには、教育全般の課題として捉えない限り、この問題は根本
的に解決しないのではないか。

教育が新自由主義や市場原理の波に巻き込まれ、競争的学力向上を目指す傾向にある
中、果たしてインクルーシブ教育は実現できるのだろうか。さらに言えば、社会が障
碍や人種・文化的差異をどのように構成し対応していくかという国の文化が変わらな
い限り、実現は難しいのではないか。実際、日本のみならず、ほとんどの国がインク
ルーシブ教育の実現に当たってさまざまな困難に直面している。

本フォーラムでは、インクルーシブ教育の実現に向けて、障碍のある子どもや外国籍
の子どもへの支援の実情を踏まえながら、日本の教育がこれから子どもの差異と多様
性をどう捉え、権利の保障、多様性の尊重、学習活動への参加の保障にどのように向
き合うべきかについて考えたい。

◇プログラム

詳細は下記リンクをご覧ください。
http://www.aisf.or.jp/sgra/schedule/SGRAForum46Program.pdf

【基調講演】荒川 智(茨城大学教育学部教授)
      「インクルーシブ教育の実現に向けて」

インクルーシブ教育とは、教育における排除をなくし、学習活動への参加を平等に保
障するための改革プロセスである。それは障害のある人だけを念頭に置くものでも、
また単純に特別学校をなくすことでもない。文化・言語・民族的マイノリティやジェ
ンダー、貧困などの問題も踏まえて、すべての学習者の多様なニーズに応えられるよ
うに、何よりも、通常の教育のカリキュラムや指導法、学校組織のあり方を問い直す
ものである。そのためには、障害者教育や多文化教育などで蓄積された専門性も不可
欠である。

今日の世界的な動向を見ると、障害生徒の就学をめぐるイデオロギー的な論争から、
インクルーシブな授業づくり、学校づくり、地域づくりに向けた取り組みへと、着実
にシフトしている。しかし他方で、競争的学力向上政策や財政難による人的物的リ
ソース不足が、インクルーシブ教育の理念や施策との間で矛盾を深めており、前途は
楽観できない。

インクルーシブ教育はすべての人の全面的な発達を目指している。発達とは単に個々
人の能力や技能が向上するという狭い意味ではなく、社会の持続的発展に参加し、貢
献し、その成果を享受することによって、価値ある生き方を選択する力を獲得するこ
とでもある。いわゆるケイパビリティ・アプローチの視点から発達と教育を捉え直す
ことが、インクルーシブ教育を実現する上で重要な鍵となると考える。

【報告1】上原芳枝(特定非営利活動法人リソースセンターone 代表理事)
     「障碍のある子どもへの支援」

平成20年度より特別支援教育が本格実施となり、通常級に在籍する発達障碍のある子
どもや集団適応や学習に困難を示す子など、サポート対象が広がることとなった。し
かし、一斉授業が中心の通常級において、他の子と違う状態を示す子どもの支援は容
易ではなく、特に集団適応に困難を示す子が複数在籍するクラスでは学級崩壊に至る
ことも少なくない。また、支援の充実度においては地域差、学校差は極めて大きい。

これらの子どもたちは基本的に知的障害はないが、発達に偏りがあり、他児に比べ2
〜4年程度遅れて育つ部分があり、適切な対応があれば小学4年生位までには個性の範
疇となる子も多い。従って、他児との違いが目立つ幼児期から小学4年生位までを1ス
パンと考え、4年生位までに他児と同じような状態にゆるやかに軟着陸させる“軟着
陸プラン”は無理なく子どもを伸ばすために有効である。“軟着陸プラン”は、子ど
もの不適切な言動について脳機能の視点による「要因」を考え、その「要因」をふま
えたハードル設定や対応を提供するものであり、個別指導計画立案のもとに実施する
ことで効果的に展開できる。

本報告では、発達支援アドバイザーとして幼稚園、小学校と一貫して担当している地
域において、本人、他児、教師、保護者が大きな負担を負うことなく学校生活を送る
ことをめざし、“軟着陸プラン”の実施で該当児を概ね4年生までに特別支援の対象
から外していこうとする支援体制を紹介する。

【報告2】中村ノーマン(多文化活動連絡協議会)
     「学校教育からはみ出た外国につながりを持つ子ども達に寄り添って」

日本語で学習する場である学校にある教室で、学習できずに悶々とした日々を過ごし
ている子どもたちがいます。学校教育からはみ出た外国につながりを持つ子ども達で
す。日本語で学習ができないという障がいを抱えながらも、学校に通います。子ども
達の来日時期はさまざまですし、日本で生まれても教室の中で日本語による学習を重
ねられません。

外国につながりを持つ子どもの家庭は、日本人の家庭と異なります。学校教育が想定
している教育の対象には、日本語で会話をし「日本の文化」を持っている家庭環境の
子どもたちが前提となっています。学校はそのような背景を持っていない子どもに対
する日本語教育のシステムが整っていない状況です。教師養成の課程で日本語を教え
る技量を教員が有さない。日本語で学習できない、日本人と異なる文化の子どもの対
応するすべがわからない。しかし、この問題と社会への影響を理解している人は非常
に少ないので、解決に向かっていない。子どもは、道具としての日本語会話が身につ
いても、その能力は日本語で学習するほどの力ではない。良く話せる子どもが、学習
できないのは学習言語を身につける家庭内の訓練が不足しています。日本人の中の多
様性を受容する文化が育てば、外国につながりを持つ人が尊重されやすくなるが、均
質な社会を維持する力の方が強いです。

私は、地域からの提案をしています。学習する中で、多様性を尊重、学習する権利を
保障することは、多くの個別な対応を認めることです。また、多様性を受容するに
は、環境を構築できる人材を積極的に学校に入れる勇気が必要です。外国にルーツを
持ち、多様性を高めることができる教員を増員し、創造的な職員会議、多様な意見を
引き出せる学級会の実現を目指したい。しかし、これが上手くいくために、社会問題
としての認知は必須です。

【オープンフォーラム】

進行:権明愛(十文字学園女子大学人間生活学部講師)
討論者:上記報告者

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● SGRAカレンダー
【1】第46回SGRAフォーラム(2014年1月25日東京)
「インクルーシブ教育の実現に向けて: 子どもの多様なニーズにどう向き合うか」
http://www.aisf.or.jp/sgra/active/schedule/46sgra.php
【2】第13回日韓アジア未来フォーラム(2014年2月15日ソウル)<ご予定ください>
「ポスト成長時代における日韓の課題と東アジア協力」
【3】第47回SGRAフォーラム(2014年5月31日東京)<ご予定ください>
「科学技術とリスク社会:福島原発事故から考える(仮)」
【4】第4回日台アジア未来フォーラム(2014年6月13日台北)<ご予定ください>
「トランスナショナルな文化の伝播・交流:思想・文学・言語」
【5】第2回アジア未来会議<論文・ポスター・展示作品募集>
「多様性と調和」(2014年8月22日インドネシアバリ島)
http://www.aisf.or.jp/AFC/2014/
★発表要旨追加募集中(締切:2014年2月28日)★

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