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Invitation to the 18th SGRA China Forum “Reception of the ‘West’ in Asian Modern Art”

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SGRAかわらばん1038号(2024年11月9日)

【1】第18回SGRAチャイナフォーラムへのお誘い(11月23日、北京&オンライン)
「アジア近代美術における〈西洋〉の受容」

【2】銭海英 第22回SGRAカフェ報告
「逆境を超えて:パレスチナの文化的アイデンティティ」

【3】第11回日台アジア未来フォーラムのご案内(11月10日、淡江)
「疫病と東アジアの医学知識――知の連鎖と比較」(最終案内)
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【1】第18回SGRAチャイナフォーラム「アジア近代美術における〈西洋〉の受容」へのお誘い

第18回SGRAチャイナフォーラム「アジア近代美術における〈西洋〉の受容」へのお誘い。
下記の通りSGRAチャイナフォーラムをハイブリッド形式で開催いたします。会場でもオンラインでも参加ご希望の方は、事前に参加登録をお願いします。

テーマ:「アジア近代美術における〈西洋〉の受容」
日 時:2024年11月23日(土)午後3時~5時(北京時間)/午後4時~6時(東京時間)
会 場:北京外国語大学北京日本学研究センター多目的室とオンライン(Zoom)
※北京外国語大学会場で参加する場合は、入校の際に身分証のスキャンが必要となります。
言 語:日中同時通訳
共同主催:渥美国際交流財団関口グローバル研究会(SGRA)

北京外国語大学北京日本学研究センター

清華東亜文化講座
後 援:国際交流基金北京日本文化センター
協 賛:鹿島建設(中国)有限公司

※参加申込(リンクをクリックして登録してください)
https://forms.office.com/Pages/ResponsePage.aspx?id=DQSIkWdsW0yxEjajBLZtrQAAAAAAAAAAAANAAWXADtRUNlo1VzVNMTBBTUFZQTNIV08yT1lYNk9GQS4u
(参加方法に関わらず参加用URLが届きます。会場参加の方は当日会場にお越しください。)
お問い合わせ:SGRA事務局([email protected] +81-(0)3-3943-7612)

■フォーラムの趣旨

昨年開催した「東南アジアにおける近代〈美術〉の誕生」では、日本における東南アジア美術史の第一人者である後小路雅弘先生(北九州市立美術館館長)を講師に迎え、いまだ東北アジア地域では紹介されることが少ない東南アジアにおける近代美術誕生の多様な様相について学んだ。その続編として今回は、初期の東南アジアの美術家にとって重要な存在であったゴーギャンを取り上げ、東南アジア近代美術おいて〈西洋〉がどのように受容され、そこにどのような課題が反映していたのかを考察する。

■ プログラム
総合司会 孫建軍(北京大学日本言語文化学部/SGRA)
【開会挨拶】今西淳子(渥美国際交流財団/SGRA)
【挨拶】周異夫(北京外国語大学日本語学院長兼日本学研究センター長)
野田昭彦(国際交流基金北京日本研究センター所長)
【講演】後小路雅弘(北九州市立美術館館長)
「東南アジア近代美術における〈西洋〉の受容─東南アジアのゴーギャニズム」
【指定討論】
討論者:
王嘉(北京外国語大学)
二村淳子(関西学院大学)
【自由討論】
モデレーター:林少陽(澳門大学歴史学科/SGRA/清華東亜文化講座)
【閉会挨拶】
王中忱(清華東亜文化講座/清華大学中国文学科)

■講演内容

【講演】後小路雅弘「東南アジア近代美術における〈西洋〉の受容─東南アジアのゴーギャニズム」

前回の本フォーラムでは、「東南アジアにおける近代〈美術〉の誕生」というテーマのもと、欧米列強による植民地統治下の1930年代に見られた近代美術誕生の萌芽的な動きを国ごとに紹介し、その共通性と固有性について考察した。その背景には、19世紀末から盛んになったナショナリズムや民族自決の高まりといった国際的な動向があったが、激動のアジア近代史の奔流の中で、近代美術運動のパイオニアたちは何を目指したのかを読み解いた。

今回は、東南アジアを中心に、他のアジア地域の作例も含め、アジア近代美術の、とりわけ初期の段階において、〈西洋〉の受容がどのようなかたちで行われたのか、またそこにはアジアの近代美術のどのような課題が反映していたのかについて考察する。

アジアの近代美術は、西欧の近代美術の大きな影響を受けながら誕生し、展開していったことは間違いない。しかし、ここでは、その影響を受け容れた側(アジアの近代美術)の主体性、主体的な創造性に注目する。アジアの近代美術のパイオニアたちは、〈西洋〉をどのように「主体的に」受け容れ、そこにどのような問題意識を持ち、どのように内発的な創造性を展開したのだろうか。

東南アジアの美術家たちにとって、とりわけ重要な存在はポスト印象派のポール・ゴーギャンであった。ゴーギャンは、成熟した西欧文明に倦んで、野生の荒々しい生命力を求めて南太平洋へ移住し、そこで新境地を開いた。東南アジアの美術家たちは、ゴーギャンの南太平洋での作品を参照し、自らの作品に取り込みながら、自身の課題に取り組んでいく。そこには、新たな国家建設の夢や、まだ見ぬ〈故郷〉の姿が反映していた。

アジアの初期近代美術家たちはゴーギャンに何を見ていたのか─東南アジアを中心にそれ以外の地域も含め、いくつかの作品を取り上げ、その分析を通して、アジアの近代美術が何を求め、何を生み出したのかについて具体的に考えたい。

※プログラムの詳細は、下記リンクをご参照ください。

日本語版
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2024/10/J_SGRAChinaForum18.pdf

中国語版
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2024/10/C_SGRAChinaForum18.pdf

ポスター
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2024/11/ChinaForu18_poster.jpg

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【2】SGRAカフェ報告

◆銭海英「第22回SGRAカフェ『逆境を超えて:パレスチナの文化的アイデンティティ』報告」

2024年10月5日、第22回SGRAカフェ「逆境を超えて:パレスチナの文化的アイデンティティ」が対面(渥美財団ホール)・オンライン(Zoom)併用方式にて開催されました。1月9日と6月25日に続き、「パレスチナを知ろう」というシリーズの3回目です。

今回は慶應義塾大学総合政策学部の山本薫先生から「パレスチナ文化とは何か?」と題し、長年に渡り混乱する中東情勢の中で形成されたパレスチナ人の多様な文化的アイデンティティをテーマに講演していただきました。

講演では2003年以降、イスラエルにより強制的に立ち退かされたガザの人々が取り組むストリートカルチャーが紹介されました。ガザの若者たちの間では、パルクール競技(街頭運動)、ラップ音楽(街頭音楽)、グラフィティアート(街頭芸術)が盛んに行われているそうです。

講演後、次のような質問が出されました。「戦時下において芸術に時間を割くべきではないという主張が存在するが、パレスチナの若者が創出した芸術作品がいかにしてイスラエルや他のアラブ諸国への抵抗手段として機能してきたのか?」、「政治的アイデンティティが脅かされる構造の中で、芸術を通じてエスニックなアイデンティティを主張することは、芸術作品に政治的メッセージを込めることになると考えるが、イスラエル化を推進するシオニスト政権はパレスチナ人の芸術運動をどの程度規制しているのか?」、「パレスチナ人の芸術はイスラエル国民に受容されているか?」、「日本では、パレスチナの芸術や文化はどのように受容されているのか?」、「日本文化との交流の進展はいかに評価されているか?」。

「芸術作品と政治」について、山本先生は「パレスチナの若者たちがグローバルマーケットに接続する希望はあるが簡単ではない。グローバリゼーションの中で表現の自由を模索しながら、国や資本の論理にとらわれずに自己表現を模索し続けている。国がないからこそ生まれる葛藤や自由が、独自の文化や芸術を形成する原動力となっている」と将来への可能性を指摘しました。

「イスラエルでの受容状況」については、「パレスチナの文化表現はイスラエルだけでなく、一部のアラブ諸国からも危険視され、表現者が命を奪われることも少なくない」と回答。実例として「『太陽の男たち』の著作で知られるパレスチナを代表する小説家G.カナファーニーは強大な影響力を持つがゆえに36歳の若さでイスラエルに暗殺された。風刺漫画家が殺害される事件もあった。一方で、背景にはアラブ側権力者の思惑があるとも言われている」と指摘し、「パレスチナ問題はイスラムとの対立だけでなく、周辺のアラブ諸国も巻き込む中東全体の問題であり、多くの国々はパレスチナ人を警戒している。イスラエル国内でもパレスチナ人の文化表現は否定されがちだが、共生を目指すユダヤ人の支援活動も依然として存在する」と言及しました。

「日本での受容状況」については、「パレスチナの演劇や映画は日本でも高い注目を受けている」と回答。ただ「カンヌ映画祭などでもパレスチナ出身、もしくはイスラエルに在住するパレスチナ人の監督が多数の賞を獲得しているが、製作者がパレスチナ人であることが知られていない場合もある」と指摘しました。

最後に今西淳子SGRA代表から閉会の挨拶がありました。パレスチナに対する日本やアジアの関心を高めるための活動を評価し、小説や文化の力を通じて、わずかながらでもパレスチナの現状を理解できたと述べました。また、SNS時代における、私たち個人からの発信や活動を進める重要性を強調しました。

完全に専門外であった私はフォーラムで多くの感銘を受けました。90分にわたり拝聴していたのですが、山本先生の「パレスチナ文化は、言ってしまえば一つも無いのですよ」という一言には驚きました。確かにイスラエルの主張では、「パレスチナ人は存在しない」のです。パレスチナという国家がそもそも存在しないから、という理屈です。「いや、違う。パレスチナ人は確かにそこにいる。なぜいるのかと言うと、その証明はパレスチナ文化が存在するからである」と山本先生は主張します。こうして、そもそも「パレスチナ文化」とは何かという疑問も自然に浮上してくると思います。

私が敬愛する中国の学者である許紀霖は、かつて「文明」と「文化」という二つの概念について、実に分かりやすい見解をもって両者を区別しました。

「『文明』と『文化』は異なる概念であり、『文明』が関心を寄せる対象は『何が善いか?』であるのに対し、『文化』は単に『何が我々のものか?』に焦点を当てる。『文化』は『我々』と『他者』とを区別し、自己の文化的アイデンティティを確立することを目的とするが、文明はそうではない。文明は、一国や一民族を超えた普遍的な視点から『何が善いか』を問い、その『善い』は我々にとってだけでなく、他者にとっても同様に善いものであり、全人類にとって普遍的な善であることを追求する」(許紀霖『中国時刻?従富強到文明崛起的歴史邏輯』香港城市大学出版社、2019年、7-8頁)。

「パレスチナ文化」とは何かを表現する際に、私は、まず「他者」と区別されるパレスチナ人の「我々」(独自性)とは何かを考えてしまいます。この唯一無二の独自性とは何か、どのように把握するべきかについて、山本先生からは「パレスチナ文化の魅力の一つは、国家の不在ゆえに未来を構築していく過程にある。さらに、その過程がパレスチナ人全体によって今なお作られ続けている点にある。また、パレスチナ文化は多様性に富み、アラブ人に限らず、ユダヤ人をも排除するものではなく、決して排他的なものではない」という説明がありました。

しかし、この説明だけでは、「パレスチナ文化」の独自性そのものを十分に理解するには至りませんでした。この難しさは山本先生も指摘したように、現在のパレスチナにおいては統一された文化が未だ形成されていないという冒頭の説明そのものが一つの答えであり、同時に今まさに現地では悲惨な戦争のさなかにあるという現実が関連していることを強く認識すべきです。すなわち、パレスチナ文化の確立とは、地政学的な条件と過酷な現実が独自性を生み出す条件であり、また人の心に響く力として存在していると考えます。

このような状況において、山本先生がハマスの暴力手段とは一線を画し、非暴力的な手段によるパレスチナ文化の自己表現の重要性を強調した点には深く共感します。壁に囲まれ攻撃の対象とされる人々がいる現実は、極めて残酷ながらもパレスチナ人が確固たる存在として成立していることを証明するものです。「パレスチナ人は存在しない」という発信は詭弁でしかないことは明らかです。パレスチナ人が自己の存在を声高らかに証明し、さらなる独自性を宣伝するためにも、一刻も早い平和の実現を強く望みます。

当日の写真
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2024/11/cafe22photos.pdf

フィードバック集計
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2024/11/SGRACafe22Feedback.pdf

<銭海英(せん・かいえい)QIAN_Haiying>
2022年度渥美奨学生。中国江蘇省出身。明治大学大学院教養デザイン研究科博士後期課程に在学中。近代中国教育思想史を専攻。現在、成城大学及び神奈川大学非常勤講師、有間学堂東洋史学専属講師。

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【3】第11回日台アジア未来フォーラムのご案内(最終案内)

下記の通り第11回日台アジア未来フォーラムを開催いたします。東アジア日本研究者協議会第8回国際学術大会内で開催するため、ご希望の方は同大会への参加申込(会場参加のみ)をお願い致します。

テーマ:「疫病と東アジアの医学知識――知の連鎖と比較」
日 時:2024年11月10日(日)9:00~12:10(台湾時間)
会 場:淡江大学淡水キャンパス驚声大楼
言 語:日本語
主 催:(公財)渥美国際交流財団関口グローバル研究会[SGRA]
共 催:中央研究院史語所世界史研究室
協 力:東アジア日本研究者協議会 賛助:中鹿營造、他
申 込:東アジア日本研究者協議会第8回国際学術大会HPよりお申し込みください
https://www.taiwanjapanese.url.tw/eacjs2024/
お問い合わせ:SGRA事務局([email protected]

■ 開催趣旨

2019年12月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が中国の武漢市から流行し、多くの死者が出て全世界的なパンデミックを引き起こした。人と物の流れが遮断され、世界経済も甚大な打撃を受けた。この出来事によって、私たちは東アジアの歴史における疫病の流行と対処の仕方、また治療、予防の医学知識はどのように構築されていたか、さらに東アジアという地域の中で、どのように知の連鎖を引き起こして共有されたかということに、大きな関心を持つようになった。会議では中国、台湾、日本、韓国における疫病の歴史とその予防対策、またそれに関わる知識の構築と伝播を巡って議論をする。

■ プログラム

〔第1部 報告〕
報告1 李尚仁(中央研究院歴史語言研究所)「コロナから疫病史を考え直す――比較史研究はまだ可能であろうか」
報告2 朴漢珉(東北亜歴史財)「清日戦争以前朝鮮開港場の検疫規則」
報告3 松村紀明(帝京平成大学)「幕末から明治初期の種痘について」
報告4 町泉寿郎(二松学舎大学)「感染症と東アジア伝統医学」

〔第2部 指定討論〕
討論1 市川智生(沖縄国際大学)
討論2 祝平一(中央研究院歴史語言研究所)
討論3 巫毓セン(中央研究院歴史語言研究所)
討論4 小曽戸洋(北里大学東洋医学総合研究所)

〔第3部 自由討論〕

※プログラムの詳細は、下記リンクをご参照ください。
https://www.aisf.or.jp/sgra/wp-content/uploads/2024/10/JTAFF11Program.pdf

※ポスター
https://00m.in/xngrW

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